プリキュア創作3

□Hなことするさあほま本サンプル
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 モスクアでの大会が一段落着いて、オフのシーズンはならべく日本に戻って調整するようになった私。はなが出産したから昔を思い出してはぐみちゃんのお世話を隙あらば見てあげたいなー、ってお節介もあるのだけれど。
 本当の理由は、いつか私にもくるだろう現役引退の時。その時と同時に、私は大切な人から受けたプロポーズを受理すると決めていて、それの予行演習も兼ねて私は薬師寺さあや先生と限定的な同棲生活をしていた。
 お互い、まだなりたい自分探しの旅の途中で、私もまだまだ現役生活は続けるつもりではいるけど。
 やっぱり、いつかは落ち着きたいところは、心の内では何となく決めていたつもりだった。
それがこの間のちょっとした事件で確認し合うことが出来て、気恥ずかしいけどその向かう場所が一緒のところだと分かって。
すごく嬉しくて。
お互いどうしよっかー、ってなって。
まだ決めつけるのは早いから、今は練習はしとこっか。
ってな感じでオフシーズンの時だけお試しで一緒に暮らすことになった。
初めは喧嘩しちゃうかなー、私とさあやって味覚や趣味が違うから、大変だぞー、っとは思ったけど。
暮らしてみて改めて思ったけど、違いはするけどお互いが憧れた部分を、尊敬しあえる部分があったので、今のところは上手に暮らしていると思う。
その違いが素敵だって、今なら…って訳じゃないか。そこの含めて私達の関係は中学校からそんなに変わっていなかった。寧ろオンオフシーズンのある私と違って、さあや先生は二十四時間働いているような職場なので、その過酷さに私の方がびっくりしてしまったくらいだ。
…沢山の命の輝きを守ってくれて、ありがとうね、さあや。
…そう言うと、私の演技も色んな人を輝かせてくれて、生きる力を与えていてくれるから
私こそ、ありがとうだよ、輝木選手。
…って言ってくれるところも、すごい好き。
さあやは私の持ってないところを持っているから尊敬する。
さあやも私のことをそう想っていてくれることを、今更ながら確認できる同棲生活だったので、やっぱりいつか来る本番が楽しみでしょうがない数か月を過ごしていた。
その時をちゃんと胸を張って過ごせる自分になるために、今の私もがんばらないとね。
私はさあやみたいな人になりたい。
 中学の頃にずっとハリーとの恋路やみんなの夢をこっそり助けてあげられるような、孤独も受け止められるような、そんな優しくて孤高な人。
 さあやも、落ち込んだ分だけ高く飛んで、そんな姿でみんなを勇気付けられるそんな強い人になりたいと言ってくれて。
 …結局、お互いがお互いになりたくて、大人になったら何か髪型まで一緒にしようとして結局示し合わせたかのように交換みたいな形になっちゃったのは笑ったけど。
 …ああ、やっぱり。
 私という星が落ちれる場所は、優しい羽根の上なんだろうな。
 …まださあやと私のお母さんの間で何か隠していることはありそう何だけど、きっとそれも今の私を信じて言わないようにしてくれているんだろう。
 さあやを信じよう。
 なんてたって、他人じゃなくて、これから家族になるんだから。
 …顔は知らない、どこかにいるお父さんとは別れるような人生を送ってきた私だけど。
  家族って、そんな信頼で増やしていければ、すごく嬉しいな。
 大好きだよ、さあや。

 ピンポーン

 っと、そんなことを思って家事をしていると、家主が仕事から帰ってきた音が鳴る。あー、嬉しい。これまで長旅から帰ってくる側だったけど。
 大好きな人の帰ってくる場所を守っているのって、こんなに嬉しいだね。
「おっかえりー!さあや先生!」
 出迎えるなり玄関で抱き付いてしまった私。自分ともぐもぐって似てないとは思ったけど、さあやから見たらあのペットにこの飼い主、って反応何だろうな。
「おお、手厚い歓迎ありがとうね、ほまれ。ただいま」
「今日飲み会だったでしょ?けど早く帰ってきてくれたんだね!ありがとう!」
 …まあお医者さん同士っていう職業柄もあるから身体に無理な飲みはしないんだろうけど。
「えへへ、家にほまれがいると思うと早く帰りたくって」
「わーい、ありがとー!」
 っとさあやと気持ちが一緒になれたと思えて、また抱き付いてしまう。
 我ながら変わったなあ、って思うけど中学の頃と比べてだいぶ子供帰りはしたと思う。
 …やっぱりお母さん曰く、お父さんと一緒に暮らしていた頃の無邪気な自分に、無意識に帰りたがっているのかなあ、私って。
 そしてさあやもそれを知ってかどうかは分からないけど、中学の頃は頼りなさそうだった天使の委員長が。
 今や色んな人の命を救ったり、すくい上げたりする強くてかっこいい大人の女医さんになっていた。何だか髪型だけじゃなくて立場も逆転したみたいだ。
 今だって、もぐもぐみたいになっちゃってる私を、上手にあしらってる感じではあるけど。
 …それとも、職場に似たような、犬みたいな同僚さんがいるのかな?その人に負けないように、いっぱい匂い付けちゃおう!
「あーん!さあや先生が早く帰ってきて嬉しい嬉しい嬉しいー」
「おー、どうどうほまれ。ふふ、私、本物のワンちゃんは飼ったことないけど、こんな反応するのかしらね」
「うーん、もぐもぐはもっとべろべろ舐めてくるけどね」
「寧ろもぐもぐになりたい!」
 冗談を言いつつも(冗談だよね?)寒いので部屋の中に移動しながら世間話を続けた。ふふ、当たり前のように巣に戻っていく感じだけど、今この瞬間が一番さあやと同じ屋根の下にいるってことを実感するよ。
「けど海外だとこれくらいのハグくらいは挨拶だよ?」
「…そうよね、最初にアンリ君がはぐくみ市に訪れた時もそうだったし、ほまれが引退した後に立てる予定のアイス屋さん。海外展開も視野に入れていたけど、取りあえず日本だけで良いかしらね」
「…私のアイスクリーム屋さん、どんだけ大きくするつもりだったの…?」
 まだ早すぎる話なんだけど、私が引退したあかつきにはさあやがお祝いに結婚と引退後に運営する輝木ほまれのアイスクリーム屋さんを出店する計画を練っているらしい。嬉しい!って思って喜んだけど、時間が進む度に規模が大きくなっているような気もする。
「…そりゃネームバリューは折り紙付きだもんね。あの輝木ほまれ選手の作ったアイスが食べられるとなると、そりゃもう世界中七十億人の老若男女が血眼になって押し寄せてくるわよ。アカルイアス社の野乃社長と綿密に店舗の相談をして、日本経済を代表する企業にしないと」
「いや!そこまで大きくするつもりはないよ!」
 あくまでさあやとこじんまりしたお店を開いて、穏やかなセカンドライフを過ごすつもりだったのに!何かはなまで巻き込んでるし!
「なーんちゃって、うっそー」
「………」
 さあや先生、やっぱり少し酔ってるね。そんなさあやも新鮮で魅力的だったけど。
「ほまれの愛すを本当に独り占めするのは、私だけなんだから」
「はいはい、お水ー」
「やーん、まだ二次会出来る余裕あるから飲もうよー」
 っと言いながらグラスを取り出して、次に何だかカバンからがさごそ取り出すさあや先生。ん、二次会やると言って出すのだから、もしかしてそれは?
「じゃーん!すっごい高級なお酒!お土産で頂いちゃいましたー」
「おお!何か豪華な梱包!」
 お酒のことは全然分からないけど、お子ちゃまの私でも雰囲気で高そうなものだと分かる包みだった。
「今飲むの?」
「うふふー、本当はまだまだいけるんだけど、現場仲間とだと深追い出来ないからねー」
 …やっぱりさあや、想像通り飲兵衛っぽいから本当は満足しきれてないんだろうな。私はお酒の良さはあんまりよく分からないまま大人になってしまったけど、
 さあやと一緒に暮らすってことは、こっちのお世話も想定しておかないといけないんだろうな。家でくらい、演技なしのさあやでいてほしいし。
「あ、ほまれの体調管理の邪魔になるようだったらよすけど」
「ううん、いいよ。私もそのお酒どんな味か気になるし。そもそも嗜む程度の飲酒は身体にいいしね」
 ロシアだと寒いから飲んでる人ばっかいるから、そこらへんの価値観は慣れているつもりだ。
「よーし、じゃあ二次会は愛する伴侶と一緒に開催しちゃおーかなーえへへー」
 っと文字通り酔っ払いのような台詞を言いつつ、足取りはしっかりしてキッチンに準備に向かうさあや。
 …ふふ、愛する伴侶かあ…ふふ…
 っとニヤニヤしつつも、そう言えばはなとの飲み会でもさあやの限界って見たことなかったことを思い出す。
 私もスポーツ選手で、はなも忙しい身だから三人の場でも本気の飲みは抑えていただろうさあや。一緒に暮らすようになった、二次会の体裁の宅飲みで、いよいよ本気が見れるんだろうか。
 怖いようなわくわくするような。
 めんどくさい酔い方するなら嫌だけど、同棲してみてもまだ底が見えない、本当のさあやの姿を、今日いよいよ見ることが出来るのだろうか。
 パートナーとして、そこを受け止められるかの試練でもあるのかな。
 カシュ…ポン!
 っと良い音を鳴らしながら高級そうなお酒の栓を開ける。今更ながら、借りたマンションの一室の景色がとてもいい場所だったのを知る。時期もあるんだけど、少し早いクリスマス会みたいだった。
「うふふ、それじゃあほまれとの二次会、かんぱーい」
「…乾杯、さあや先生」
 …少し不安だけど、でも嬉しいな。
 さあやと二人で、こんなお酒を飲める大人になれて
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