プリキュア創作6

□ジョジョトークするトロピカル部
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「あれ、この段ボールなんだっけ」
「・・・片付け忘れたんですかね」
 トロピカル部の部室確保の為に大掃除を特急でしたはいいものの、いざ部が始まってみてもまだ謎の荷物が発掘されて何だか宝探しをしているみたいだった。ちょうどOBの先輩達もいるみたいだし、今度こそ捨てても良いものか聞いてみるとしよう。
「あーーーージョジョ箱じゃん!なっつかしい!あったあった!こんなの!」
「ジョジョ箱?」
 えーっと、確か聞いたことある気がする。ジョジョ、あの有名な漫画の・・・
「ジョジョの奇妙な冒険!そっかそのコミックスが入ってるんですね!!!」
 っと意外なことに一番反応の大きかったのはあすか先輩だった。
「いやー、ジョジョ、面白いですよね。変な絵かと思ったらそれが癖になるっていうかもうこの絵柄じゃないと駄目って言うか。作品の雰囲気も何だか真面目にやっているように見えてジョジョの世界の外から見るとギャグに見えてしまうようなシリアスなギャグ、ってのがいいですよねえ。近年の声優さんや漫画家さんクリエーターに多大な影響を与えた作品ですよ、うんうん。今井麻美さんやファイルーズあいさんなんかはジョジョがきっかけで声優になってっていうくらいですからねえ。そっか、先輩の代はちょうど六部やってるあたりでしょうか?」
「・・・あすか先輩」
 おお、すごい語ってるな、この人。もしかして
「ジョジョ、好きなんですね」
「い!いや!ほら!ジョジョはしょうがないんじゃないかな!有名な漫画だし!みのりは見てるんじゃないか?」
「いえ、実際見るのは初めてですね。有名なのでよくパロディで見かけるな、程度でしたけど実際見たことはありません。考えてみたら食わず嫌いだったかもしれませんね」
「えー、ちょっと絵が生々しいかも・・・劇画調って言うのかな」
 っとほぼジョジョに初めて触れるだろうさんごは年相応の反応をしていた。
「いやいや、漫画だからこそ!この特徴的な絵がいいんだよ。鬼滅だって決してうまい絵ではないけど何か見れちゃうだろ?それと一緒でジョジョもいざ見たら先入観で見ようとしてなかった自分を反省するくらい面白いんだよ。ネットとかで見るジョジョネタの元ネタも分かるし、何よりあれらはほんの一部だってことに過ぎないことが分かって世界観広がるよ?見てみようよ!」
「・・・あすか先輩・・・」
「・・・は!つい語りすぎた・・・いや、ジョジョはまだメジャーな方だから・・・」
 ・・・うさぎのゲーム好きだったらり、案外この人ミーハーっていうかオタクっていうか・・・
「よ!よーし!今日は部長命令で片付けの意味も込めてみんなでジョジョを読もう!ただリサイクルショップに持ってたり元の持ち主の先輩に返す前に!漫画なんだから一回読んであげてから片付けようよ!そう!これは片付けの延長戦!つまりれっきとした部活動!さあ!みんなジョジョを読もう!あ、三部から読むのもありだよ?」
「・・・こんな時ばかり部長権限使ってる・・・」
 いやでも片付けをするのに漫画なんか読んでたらそれ一生終わらないパターンのやつでは?そもそも学校で漫画読んではいけないのでは・・・
「うええええええジョジョ・・・良い漫画だよおおおおおお!」
 っと私達がわちゃわちゃ話している間、いつの間にか漫画を読んでいたまなつは一人号泣していた。
「おお!分かるか!まなつ!ジョジョの良さを!これでお前の私の仲間だ!」
「仲間なんていらないって言ってたのに・・・あすか先輩」
 ・・・ってよく見るとまなつの見ている本、ジョジョじゃなくて別の漫画じゃない?あれは・・・
「太蔵モテ王サーガ?何ですか?あの本?ジョジョじゃなくないですか?」
「太蔵モテ王サーガ!そっか!先輩達の世代ならあれもれっきとしたジョジョ本!」
「あすか先輩!?」
 やっぱり知ってたんですね?
「いや…あれは正確にはジョジョじゃないんだけど、まだインターネットが黎明期の頃、ネットスラングがオタクの内輪ネタで盛り上がっている時代の中でジャンプという舞台でパロディやコラ、テニスの王子様やNARUTOの展開をツッコムようなメタネタギャグを確立したすごい漫画なんだよ、そして何より」
「あれ、この表紙の子…」
 めっちゃジョジョに出てくるキャラに似てないですか?大丈夫ですかこれ?
「ジョジョの作者、荒木先生公認もあってガンガンジョジョネタを入れ込んだすげー作品なんだよ。かくいう私も最初はジョジョの絵柄苦手だったけど、太蔵モテ王サーガのパロディが面白いからそっから入門できたとこあるよな。下ネタが多くて決して万人には薦められる作品じゃないけど、私をジョジョの世界に入れてくれたという意味では立派なジョジョ本だよ」
「ほう…」
 何だかそこまで言われると私も見たくなってしまうな。あれ、でも
「この本、ギャグ本ですよね?なんでまなつ泣いてるの?」
「だって…えっぐ、この麻仁温子ちゃんってキャラ…何だか私みたいで親近感沸いちゃって」
「ああ、このジョジョのコスプレみたいな姿してる子…」
 コスプレって言うかまんまなんだけど。あ、解説お願いします、あすか先輩。
「麻仁温子ちゃん…いいよね。そっか、まなつの境遇と考えてみたら似てるかもね。昔はひっこみ事案で友達も少なかったけど、ジョジョを読んで、その中の徐倫ってキャラに勇気をもらってオタクらしく、自分らしく生きることができた。私も徐倫にはなれないかもしれないけど麻仁温子ちゃんみたいにはなりたいなって思ってたんだよ」
「あああああああん!麻仁温子ちゃんが生き生きしてるだけでトロピカってくるうううううう!」
「そこまで…」
 何だかますます見たくなってしまうな。会長に見つかる前に私も太蔵モテ王サーガだけでも読んでおこうかしら。全8巻で読みやすいしね。
「ちょっとあんた達!何漫画ばっか読んでるのよ!」
「うわ!会長…かと思ったら何だ、マーメイドアクアポッドの中に入ってるローラか。びっくりした…」
「人をお邪魔虫みたいに言わないでよ…まったく、部活動をしないならプリキュア活動をしろって…あれ、その本?」
「お!ローラもジョジョ、知ってるのか?」
「グランオーシャンでも人気なのかな、ジョジョ」
 さすが荒木先生って感じね。
「いや、その漫画本は知らないんだけど、その本を書いた作者の写真、どっかでみたことあるなー、って思ってたんだけど、確か何百年か前にグランオーシャンに取材にしにきてたような気がするのよねー、確か江戸時代あたりだったかしら?こっちの世界の時代でいう」
「………え」
「荒木先生、いつの時代から生きてるの…」
「っていうかローラも何歳なの…」
 …何だか深く考えるのは怖いから、ジョジョでも読んで気を紛らわしておこう…
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