小説

□ホワイトデーSS
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「ひ、ひえー。ごめんよルルちゃん…」
「あ…いや、何…ごめん。私も言い過ぎたわ」

…ん。なんかやけに今回は汐らしいな…

「いやあのね、好きでモテてるんじゃないとか言うのはさすがに言い過ぎたわ。相手だって善意で私にプレゼントしてくれてる訳だし、そこらへんの感謝の気持ちを蔑ろにしちゃだめよね」
「…まあ普通女の子がホワイトデーのお返し考えることじたい異例だからね」
「…そーなのよねー。だからどう反応すればいいのか分からないのよ。んでチヨに聞きたいんだけど、こーいう時ってお返しする側としたらどういったリアクションが普通なの…」
「どうって…そりゃ…」

僕はルルちゃんにホワイトデーのお返ししたことないからあんま真剣に考えたことないよな…と言おうとしたけど、そこらへんは色んな複雑な気持ちと共に押し流して、とりあえず僕は凡コメントしてみた。

「…んまあ相手次第じゃないの?義理なら義理で返したほうが後腐れないしね」
「そうよねー、そうなるわよねー」
「え?もしかしてルルちゃん、本命貰ったとか?」
「いや」

意外と早かった回答に安堵しつつも、じゃあどんなチョコ?という疑問が更に膨らんでしまったが、存外それは彼女の一言で全て謎が解けてしまった。

「伊舞鬼先生からね、バレンタインに私のキャラの恋愛SSを作って頂いたのよ」
「あー…伊舞鬼先生…」

伊舞鬼先生。
僕はよくは知らないけど、どうやらルルちゃんが漫画家になってから知り合った同期の漫画家らしく、年も近くてキャリアも同じくらい。ルルちゃんにとってはライバルであると同時に唯一無二の対等な立場で会話できる心許せる相手らしいのだ。(因みに本編では出番がなくて出れなかっ略)
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