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「さむ…」
あれから1時間ほど担任の書類整理を手伝わされ、外はもう日が沈み始めている。
北風が容赦なくあたしを吹き付けて寒いのなんのって。
コートは荷物になるからって着ていないけど、そろそろ着ないとやばいかも。
あたし凍死しちゃうよ。
マフラーを巻き直すが隙間から風が入ってくる。
自転車で片道30分ちょっとかかるから、帰ったら6時過ぎてるなぁ。
いつもは5時ごろには家にいるから、なんか変な感じがする。
空を見上げれば、うっすらと少し欠けた月が出ていた。
多分、明日か明後日には満月になるだろう。
狭い歩道を走っていたら何メートルか先にカラスが何羽か見えた。