SHORT STORY
□ふたつ
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〈チャット〉
顔も知らぬ人と会話する、今のインターネット社会では普通見られる光景
楽しさ反面、辛い事もあるが
それでも止められないのが、魅力であり、恐ろしさ
まあパソコンに向かっている私も、その1人にすぎないのだろうけど
「あ、来てる来てる」
〈一二三〉
最近私が足しげく通ってるサイトでよく見かける人
「こんにちは……と」
誰もいない部屋で相手が来るのを待っていたこの人に、私が話し掛けてたのがキッカケ
不思議と気が合うのか、私達は誰も居ない時間帯に来て2人だけで話している事が多い
「お、返信来た」
一二三:こんにちは
鈴:今日の体調はどう?
一二三:大丈夫、いつもより元気だよ
この人は私と同い年くらいなのだが、身体が弱く家にこもりっきりらしい
話す友達もいなくて、少しでも寂しさを紛らわせようとチャットを始めたそうだ
鈴:よかった〜
一二三:心配してくれたの?
鈴:当たり前だよ、友達だもん