SHORT STORY

□見渡せば
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それは昼飯の準備をしている時だった


レトルトのカレーを面倒という理由温めずにご飯に掛けスプーンを持ち部屋に向かう途中

ポタ、ポタ……と液体が滴り落ちる音が


私は振り返る

床には今まで無かった赤い斑点が


そして足元からも例の音が聞こえた


家には誰もいない

私は今、1人


カレーを置いて自分の顔に触れた

ヌル、という嫌な感触が指に伝わる


すぐに洗面台に向かい、蛇口を捻った

流れる水の中に、時折赤いモノが混じる



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