SHORT STORY
□DOLL HOUSE
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「…………!」
急に何処からか良い香りがする
とても落ち着く香りが
「……何処だろう…」
私はいつの間にか公園から出て、匂いがする方に向かっていた
まるで引き寄せられているみたいに
暫く歩いて少し狭い道路に出ると一件のお店を見つけた
周りを見渡すと見覚えのある景色
私がいつも通る通学路だ
「…『DOLL HOUSE』……?」
こんなお店…あったかな……
古い洋風なお店のドアには「OPEN」と書かれた札が掛けてあった
私は何の躊躇いも無くそのドアを開けた
……操られているかの様に
――カラン、カラーン…
店の中に綺麗な鐘の音が響く
「…凄い……」
お店の中にはアンティークショップにあるような綺麗な人形が沢山飾られていた
人形達はまるで生きているみたい
思わず見惚れてしまう