SHORT STORY

□ふたつ
2ページ/7ページ


〈友達〉

顔も声も知らないのに友達と言うのは、おかしいのだろうか


一二三:…嬉しい、ありがとう

鈴:どういたしまして


だがこうやって、誰かにお礼を言われるのは気持ちいいものだ


一二三:……ねえ、鈴ちゃん

鈴:何?

一二三:もしね、私が嘘ついてたら…とうする?

鈴:………嘘、って?

一二三:私ね……本当は男の子なんだ

鈴:ええぇ!?


嘘!?


一二三:…なーんてね、冗談だよ

鈴:じ、冗談って……もー!

一二三:鈴ちゃんいい人だけど、少しくらい疑うって事した方がいいよ?

鈴:それは…

一二三:チャットって…皆、本当の事言ってるとは限らないんだから


「…………」


顔を知らない、声を知らない

だから、何でも言う事が出来る

本当も、嘘も


一二三:……鈴ちゃん、ゴメンね

鈴:………?

一二三:変な事言っちゃって……ヤな気分にさせちゃって……

鈴:ううん、むしろ忠告してありがとうだよ



次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ