不思議体験談

□水道が…
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これは比較的最近起こったことなのですが…
私の妹は夜7時頃塾へ行き、10時頃帰宅しています。
その頃私はまだ免許を持っておらず、妹を迎えに行っていたのは母でした。
そんなある日、いつもと同じように母が迎えに行こうと階段を降りていくとき、私も丁度風呂に入ろうと階段を降りていきました。
母と私の間は階段三段分ほど。
母の方が先に階下に着き、玄関の方へ向かいました。
私は私で、階下に置きっぱなしにしてあった服をあさっておりました。
その時初めて、シャーッという音がすることに気が付いたのです。
階段から降りて真っ直ぐに数歩進むと台所があります。
階段を降りてすぐ左に行けば風呂場です。
右の部屋では祖父母が、ストーブをつけながらテレビを見ていました。
そのストーブは、上にやかんなどが置ける、いわゆる一昔前のものです。
その日もいつものようにやかんを上に置いておりましたので、私はやかんの音だろうと、然程気にせず風呂場へ向かいました。

しかし違和感を感じ、一階の、水が流れそうなところを全てチェックしてまわりました。
風呂場、洗面台、お手洗い、そしてもう一度祖父母のいる部屋…
相変わらず音はしています。
台所だ!と思い、15センチほど開いていた戸をガラガラと開けました。
中はもちろん真っ暗でした。
水道から物凄い勢いで水が出ていることを感じ、電気をつけ、急いで蛇口を戻しました。
何となく気味が悪くて、すぐに風呂場へ行きました。

私より先に、母が台所の前を横切っているはず…
そんな音がしていたなら何故止めなかったのか。
…気が立っていたのかもしれません。
私はすぐ、母に電話をかけました。
塾に着いていたのでしょう、母が電話に出ました。
私は、台所の水道から水が出ていたことを伝えました。
そして何故止めなかったのか、と。
それに対する母の答えは淡白なもので、そんな音はしていなかったというものでした。
大抵水を出したまま止め忘れるのは祖父母でしたから、その日も祖父母のせいでは?と聞かれたことを覚えています。
私もあぁそうかもしれない、と納得したのですが…
よくよく考えてみるとおかしくありませんか?
母と私が階下に降りたのは三段分の違いしかありません。
時間で言えば5秒を切っていたと言い切れます。
それなのに、母も私も祖父母が台所にいるところを見てはいません。

決定的に違っていたのは、戸でした。
母が階下に着いたとき、台所の戸はぴっちり閉まっていたというのです。
しかし私が階下に着いたときには既に15センチほど開いていたのです。
そんな5秒足らずの間に祖父母が開けたと考えるのは、理屈上無理なことだと思っております。

結局、うやむやなまま、この話は封印されることとなりました…

今のところ同じ現象には見舞われておりません。

体験:蓮夜自身

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