弐
□説明書を読まずにゲームを始めるタイプと、説明書を熟読してから始めるタイプでは協力プレイは難しい。
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「…で、私達がそのゲームをする理由はなんですか?」
「そのゲーマー星人の餌食の一人に、お偉方がいらっしゃるようでな。
なんとしても捕まえて、血祭りにあげろと御達示だ。」
「面白いですね。ゲーム内で、プレイヤーをハントしに向かうんですか。」
「だから、面白いなら笑ってくんない?真顔が怖いから。」
「ていうかさ、そんなくだらないことの為にこんなに大量のパソコン買ったわけ?
一体、何を考えてるのかなぁ。あまりのくだらなさに、怒りさえ覚えるよ。」
「確かに。こんだけのパソコン買う金あんなら、もっと有効活用してほしいわな。」
「全くだよ。これだけたくさん買う金があるなら…!
ジョジョエンで、お腹いっぱい食べられるじゃない!!」
「いや!それこそ有効活用出来てねぇし!!」
「何?俺がジョジョエンの焼肉を食べるのは、無駄だって言いたいのかい?」
「一瞬で消えるくらいなら、まだパソコンの方がマシだってんだ!」
「パソコンだって、簡単にすぐ消せるよ!」
「諸行無常。ってやつですね。」
いつの間にか話が脱線しつつある二人を眺めながら、スーは呟いた。
「大体そんなの他の奴に頼みなよ。ゲーマーとか、絶対貧弱だろう?つまんない。」
「私も同感ですね。ネットから引きずり出すにしろ、第七師団の範疇ではありません。
非生産的な事って、嫌いなんです。キーボードを叩くくらいなら、薬草をすり潰し続けますよ。」
「捕まえたら、特別賞与があると聞いてもか?」
そこで阿伏兎の表情が変わる。血走った目で、二人を睨みつけた。
「誰かさんが寝ぼけてぶち壊した、諸々の修理費。たまたま出て来た緑色の両生類一匹のために、被害を受けて腐食した柱の補強…。
これらが解消できるとしてもか!!?」
「………。」
「わざとじゃないよ。寝ぼけてたんだから。」
「あ、あれはその〜…たまたま柱に張り付いているのを見て…つい。」
「つい、で腐らせていい柱じゃないから。」
「でもアレが…!」
「アレ一匹の為の犠牲にしては、大きすぎるんだよ!ただでさえ傷んでんのに、あれが崩れちまったらこの艦の機能の半分がダメになるんだからな!?
この破壊神共が!今回はお前さんらの主張は、聞かないからねオジサンは!」