月日、空を飾る
□義賊気取りの変態泥棒
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「夜中にお手洗いから戻った時なのですが…赤い褌を顔に巻いて、白い下着を履いただけの男性が風呂敷を担いでいる姿を見ました。」
「「「………。」」」
(((純度100%そいつぅううう!!)))
「ちょ、おま…っ明らか怪しいだろうが!!
夜中にそんな奴と遭遇したら叫ぶくらいしろォオオ!!」
「すみません。眠かったもので。」
「それでも目は冴えるわ!」
「まさか、泥棒さんだとは思いませんでしたし。」
「泥棒かどうかはともかく!そいつの姿は、変質者として100点満点だろうが!!
まさかそいつに、茶を出したりとかしてねぇだろうな!?」
「いえ、お寒くはないかと声を掛けたくらいです。」
「っ…総悟、お前ちゃんと教えとけぇえ!色々マズイだろ!」
「そうですねィ…。」
頭を抱えた三人に、翡翠は首を傾げる。膝の上の虎子は撫でられる背中に、ゴロゴロと喉を鳴らした。
「おそらく、翡翠ちゃんが部屋を出た隙に室内に侵入して盗んだんだろう。
そういえば、泥棒が室内に侵入した時に虎子は気づかなかったのかい?
そんな怪しい奴が入ったら、一目散にかじりつきそうなのに。」
「夜中に起きた時は、いつも虎子さんが側に着いてこられますから。
部屋を出た時は虎子さんもご一緒でしたの。」
(護衛…!?)
「確かに、夜中に一人でうろつくのは危ないからなぁ。虎子は本当に賢い。」