月日、空を飾る
□恋人という存在
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その数日後、前回フンドシ仮面により下着を奪われた翡翠に総悟は話を持ち掛ける。
下着は無事取り戻せたものの、変態の手に触れたということで焼却処分してしまった。
「つーわけで、買いに行くぜィ。」
「いえ、でも…せっかくの非番を買い物に付き合わせるなんて…。」
「俺はかまわねェ。」
(なんだかんだ、二人きりになれるのなんてなかなかねぇし。
イベント事は必ず出勤させられるし。
サボろうにも、翡翠が許してくれねぇし。
たまの休みには、万事屋の旦那んとこへ飯作りに行っちまうし…!)
「これは、デートでィ。」
「デ、デート…ですか?」
総悟が頷けば、翡翠は頬を染めてキョロキョロと目を泳がせる。
「あ、あの…わっわかりました!身仕度いたしますっすぐ!丁寧に!」
「お、おう。んじゃ玄関で待ってらァ。」
照れながら小走りで去って行った翡翠に、総悟もなんだか照れた。
(喜んで…くれたのか?)
買い物は相手を煩わせるもの。
デートは一緒に出掛けられるもの。
(翡翠の脳内はこんなところか…物は言いようでィ。)
かくして翡翠を誘い出せた総悟は、上機嫌で玄関に向かったのであった。