弐
□説明書を読まずにゲームを始めるタイプと、説明書を熟読してから始めるタイプでは協力プレイは難しい。
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突然阿伏兎に呼び出された神威とスーは、何やらパソコンに向かっている部下達に首を傾げる。
「「モンキーハンター?」」
「最近、巷で流行ってるゲームだとよ。」
「タイトルから察するに、猿をハントするゲームですか。
私にはシュール過ぎて、理解出来ませんね。」
「ていうか、全員がそれにハマっちゃったの?こんな昼間からゲームに勤しんで、終わったね春雨。
早いうちに、鞍替えした方が良さそうだ。」
「まあ待て。これも仕事なんだ。」
「そうだね。確かに、ハントしてるみたいだし?」
「違うから。順を追って説明するから。なんでも地球で、キャトルミューティレーション騒ぎが起こってな。」
「え?何、何て?」
「キャトルミューティレーションとは、地球のある地域で騒がれた事件ですね。
なんでも馬の体の一部が切り取られて、血液が抜かれた死体が見つかったとか。」
「へー馬肉は食べたことないなぁ。美味しいらしいよね。
今から地球に行ったら、お腹いっぱい食べられるかな?」
「ダメに決まってんだろ。」
「そうですよ。今から行っても味が落ちてます。死んでるんですから。」
「違うから。俺は鮮度がどうのって、つもりで言ったんじゃないから。
今度は、地球人が体の一部を改造されちまったらしいんだよ。」
「一部改造?というと?」
「ドライバー。」
「ドライバーって、あのネジを締めるための?」
「ああ。PS○の修理をしようとして、ドライバーが欲しかったみたいでな。」
「馬鹿ですね。買えばいいのに。」
「頼むから、俺に冷たい目を向けないでくんない?馬鹿げた話だが、事は深刻らしいんだよ。
人によっちゃ指だったり、全身だったり。
…アナログスティックだったり。」
「アナログスティック?」
「それはあれでしょ。男の勲章ってヤツだね。」
「阿伏兎さん…セクハラですよ。」
「何で俺だけ!?俺はちゃんと、オブラートに包んだでしょうが!」
「包んでいようが、セクハラはセクハラです。神威さんはもう慣れました。」
「これ、俺喜んでいいのかな?」