□もしも3Zだったら。【入学式編】
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桜舞い散る四月―…それは始まりの季節。銀魂高校も、入学式を迎えていた。

そんな中、校門から三人の人影が現れる。その三人の生徒は新入生のようだ。
掲示板で自分のクラスを確認していた新入生らは、そのハンパないオーラに気圧されて遠巻きに見つめる。


「お…おいっあれ、春雨中の神威じゃないか!?春雨高校か夜兎工に行くんだとばかり…!」


「神威ってあの…中学時代、教師も手がつけられない問題児で入学早々にあの春雨中を制圧した!?」


「ああ…そして隣にいるデカイのが荒くれ者の集団、夜兎工の古株。伝説の留年王、阿伏兎。」


「じゃあ、神威の左隣りにいる女も相当の不良(ワル)…!?どっかで見た事あるし!」


「いや…あれは確か、スーシュアルダだ。幼少の頃から飛び級で外国に留学し、今は既に薬大を卒業した帰国子女。
世界有数の薬品メーカーや、研究所から引く手数多の天才だと一時メディアで騒がれてた。
結局どんな好条件にも乗らず、独立したと噂されていたのに。何で、今更高校に…?」


痛い程に刺さる視線も、三人はどこ吹く風。颯爽と歩くスーシュアルダことスーは、隣にいる神威へ声を掛けた。


「皆、一緒のクラスになれるといいですね。」


「そうだね。ていうか、スーが一緒じゃなきゃ学校来ないよ。意味ないもん。」


「〜っもう、神威さんったら!私も一緒じゃなきゃ、意味がありません!」


「知ってるよ。」


さらりと甘い台詞を吐かれ、スーは赤い頬を両手で押さえる。そしてそんなスーの肩に、神威は腕を回して抱いた。
他人の目も気にせずに、二人はいちゃつきながら掲示板へと向かって行く。
その後ろを最早慣れてますから!と、ばかりに疲れた顔で阿伏兎がついて行った。


「…何、あのバカップル。」



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