□喧嘩は場所を選べ。
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それは、ある日のこと。神威と阿伏兎は、穏やかではない空気を纏わせていた。
青筋を浮かばせた阿伏兎は、手にしていた傘の銃口を向ける。
その相手は、まさかの神威であった。


「もう怒ったぞっこのすっとこどっこいィイイ!!」


「俺は団長なんだよ?好きにしたっていいじゃないか。」


「上司(馬鹿)の尻拭いが部下の役目だと言ったが、諭すのも部下の役目だと気付いたぜ。」


「よかったね。一つ、賢くなったじゃないか。」


「やかましいわ!!おいたが過ぎたな、団長。
年長者の話は、しっかり聞くことを体に叩き込んでやらァ…!!」


「俺と、殺ろうっての?」


互いに傘を構えた二人。激しい打ち合いが始まり、弾き飛ばされた阿伏兎は体を捻って着地した。
それを追うように、神威が地を蹴って飛び上がる。

阿伏兎が蹴りがくると察した途端、ドアのノック音が耳に入ってきた。
それに気付いた阿伏兎は、慌てて神威に制止を訴える。


「!団長っ待て!!」


「今更、謝ったって遅いよ!肋三本は覚悟しなよねっ!」


「バッ違っ…!」


神威はてっきり、阿伏兎が謝るつもりで制止を訴えているのかと思ったのだ。
しかしその時、扉が勢い良く開いたのである。


「お二人ともっ何を騒いでるんですか!!」


「!?スー…!!」


「へ?」


飛び上がった神威の勢いは止まらず、ノブを掴んだままのスーの腕へと―…。


「あ゙ぁ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!?」



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