□仕掛けるからには、仕掛けられる覚悟を。
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俺は、真選組監察方山崎退。

今現在、報告書を書くべく机に向かっている。

内容は以前、副長に麻薬所持の疑いで連れてこられた娘について―…。

その娘はどうやら、局長や沖田隊長と知り合いらしい。しかし、どうも訳ありなようだった。

何故、俺が彼女の事を報告書に書くか。それは会ったからだ。

それは、ほんの数日前。街で見掛けたその娘は、ファミレスの窓際の席にいたのである。

その姿は試験勉強をする学生さながらに、分厚い本と紙を眺めていた―…。


「久しぶりの非番っていっても、特にこれといって用もないからなぁ。」


長い期間潜入捜査をしていた自分にとって、久しぶりの休暇。ただ何気なく街をぶらつく時間も、仕事は忘れない。
自分達真選組にとって。例え休みであろうとなかろうと、浪士達には関係ないからだ。

こうして街を見回して、些細な変化を見逃さないのは最早職業病ともいえる。

そして、俺の職業病はやはり仕事を見つけてしまったのだ。


(あれは…!)


不意に視界に入ったのは、ファミレス。その窓際に、例の娘がいたのである。

長い黒髪の、一見大人しそうな女性。

しかし副長が【宇宙海賊春雨】と関係しているかもしれないと、言っていた人物だ。
俺はすぐに、仕事モードに切り替えてファミレスに向かう。

客を装って監察し、あわよくば拠点・素性を調べることが出来れば上出来だ。



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