月日、空を飾る
□踊る!尾行捜査線
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「うん、いいねコレ。来たわコレ。バッチリだよ。」
「銀時…これはどういうことだ。」
大江戸遊園地の前で、桂は顔を引き攣らせる。
今日は翡翠との、デート当日だというのに何故か。
それは女物の着物を纏い、化粧を施したヅラ子の姿だったからだ。
「これでは、翡翠殿が俺だとわかるまい。
ていうか!逢い引きですらないだろう!?」
「まぁ、落ち着け。お前が男だってことはバレているが、いい目眩ましになる。」
「こんな姿で逢い引きて!!ないないっないわ、ありえんわ!」
「うるせェエエエ!!」
「ゴファッ!?」
銀時の強烈なアッパーカットが顎に入り、アスファルトに倒れた桂は鼻血を拭いながら起き上がる。
「銀時、貴様…!協力すると言いながら、俺と翡翠殿の仲を邪魔する気なのか!?
人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られるんだぞ!」
「だから古ィんだよ!贅沢抜かしてんじゃねぇ!
いいか!?指名手配されてる奴が!遊園地でデート自体、ありえないんだよ!」
「むむ…。」
「とにかく、さっさと行ってこい!男はデートの待ち合わせには、30分前に待つもんなんだよ!」
背中を蹴り、待ち合わせ場所のゲートに向かわせた後。銀時は別の場所で待たせていた総悟と合流した。
「旦那、連れの従業員はいないんですかィ?」
「尾行にぞろぞろ行動するわけにはいかないだろ?
ハーメルンの笛吹きじゃねぇんだから。」
「まァ、それはいいとして。旦那にそんな趣味があったとはねィ。」