弐
□曲がり角でぶつかって、出会ったらまず印象が悪い。
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「それにしても、お前さんら…。いい獣持ってんじゃねぇか。ククッ。」
「獣?地球人が何故、第七師団船内にいるんですか?」
「俺は高杉晋助だ。第七師団団長神威に…毒竜姫、スーシュアルダだな?」
「タカスギ?…ああ、春雨が組んだ地球の過激派部隊の親玉だっけ?
だったら強いの?俺と闘り合わない?」
「生憎今回は顔合わせだ。そっちにも、話がいっているはずなんだがな。
現にこうやって、船内にいるんだからよ。」
「顔合わせだけ?つまんないの。」
「とりあえず、応接室にご案内します。行きますよ、神威さん。」
「えー?阿伏兎に任せておきなよ。」
「駄目です。顔合わせなんですよ?椅子に座っているだけで構いませんから。」
お菓子を出してあげますからと説得し、神威を引っ張っていくスーの後ろについて行く高杉が口を開く。
「お前さんの噂は聞いてるぜ。あらゆる毒を持つ体、興味深いな。」
「私は、貴方に興味ありませんがね。」
「つれねぇなァ。」
何の感情も含まぬスーの声に、高杉は笑った。どうやら、本当に興味がないようだ。
来島はそれを気に食わないように、顔をしかめる。
しかし、先程注意されたばかり。来島は代わりに歯を食いしばった。
溶けた包帯の隙間から見える肌は爛れ、つい目を反らしてしまう。