□店の看板って、何の店かわかるネーミングがいい。
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☆【料理屋 春雨】の人達


「店長ー。」


「何だい、阿伏兎。新作の料理でもできたの?」


「いや、そうじゃなくて。」


「そ。じゃあ定番でもいいから、なんかちょうだい。」


「ただ、食いたいだけかよ。」


料理人なのに、無造作な髪型に無精ヒゲを生やした阿伏兎は溜め息をつく。


「そーじゃなくて…何で、厨房が俺だけなの?明らかにおかしーだろ。
てか、無茶だろーが。どうシフト回すの?」


「店が流行らないから、仕方ないじゃないか。バイトを募集したいなら、流行るよう趣向凝らした料理を作りなよ。」


「いーや、店長に問題があるね。客を店の裏に連れ出して、ボコッてんのオジサン知ってんだからな。

この店に入ったら、生きて帰れないとか心霊スポットばりの噂流れてんのよ?
肝試しならまだしも、そんな店で飯食う気になれるわけねーだろうが!」


阿伏兎が尤もな正論を声を上げて言っても、神威は動じない。むしろ悪びれた様子もなく、言い放つ。


「だって、スーのアドレスを聞いてたんだもん。」


「店長と従業員がデキてる時点で、おかしいんだよこの店!!」


「いいじゃん、職場恋愛。あ、そうか…一人あぶれてるから寂しいんだね。
気付かなくてごめんよ。大通りにある、パチンコ店の華陀っていうオーナーみたいな人を募集しようか?」


「ちっげぇよ!?別に、ひがんでるとかじゃないし!急に優しくしないでくれる!?

俺が言いたいのは!なんかでこじれたりしたら、店が機能しなくなるってことだ!
元々、機能してないようなもんだけどよっ!」


「問題ないよ。俺達は喧嘩しても、すぐに仲直りが出来るくらいラブラブだから。」



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