弐
□馬鹿と天才は、紙一重だった。【後編】
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最近の日課となりつつある、糖尿病についての勉強や栄養指導の中。
目に見えてぐったりしている様子の銀時に、スーは声を掛ける。
「お疲れのようですね。休憩を入れますか?」
「ああ、頼む。最近、ガキ共が妙に勘繰ってうるせーんだよ。
特に、神楽と会わせるわけにはいかねぇからな。」
「確かに…お弁当はまずかったでしょうか。現金にします?」
席を立ったスーは、備え付けのポットとティーカップで紅茶を入れた。
「いや、あんな美味い飯はなかなか食べられないからな。」
「…ありがとうございます。」
「何?惚れそう?」
「はい。」
「え!?」
自分で言って驚く銀時の前に、カップを置くスーの表情はやや呆れ気味だ。
「何を驚いているんですか。惚れるというのは、貴方の人柄にですよ。
地球人は嫌いですが、こうして関わると貴方は嫌いではないです。」
「アシ〇カは好きだ。でも人間を許すことは出来ない。みたいな?」
「…今の発言で、好感度が300減りました。」
「多っ!今はどのくらいの位置!?」
「お弁当に入っている、バランあたりですかね。」
「人ですらねぇし!?」
席に戻り、紅茶を飲むスーは一息つく。
「…貴方はよくわからない人ですね?一言多いというか。
人を信頼させる力があるのに、それを自分で壊して。
素直じゃない厄介な人です。」
「褒めてんのかけなしてんのか、どっち?」
「率直に述べたまでです。」