4章
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フレイ達が城の奥に進んで一時間とちょっと経ったかなってくらい
城の外では歓喜の声が上がっていた
『あぁ、着いたんだね。決着』
「今回の戦い、犠牲者が少なく済んだみたいだね」
『やっぱりどの時代でも策は重要みたい』
伝令が行きかう廊下でのんびりと歩きながらの会話
下手をすれば邪魔になるであろう廊下の真ん中を歩く二人は、しかし邪魔になってはいなかった
##NAME1 ##の力で光を屈折させ見えないようにしている
しかも、ぶつかられないように空間を歪ませている
「・・・王子だ」
『本当・・・少し様子が変だね。・・・・兄様、ちょっと先に戻ってて欲しいな』
「はぁ、仕様がないな」
『すぐに追いつくからね、ごめんね』
心配そうに一度だけ振り返ってゆったりとした足取りで去って行ったカノン
見送った##NAME1 ##は一点を見つめ、その方向に向けて指を上から下へ振り下ろす
『大丈夫、かな。王子殿下』
開いた空間の先、そこはギゼルの執務室
開け放たれた窓を呆然と眺めるフレイの姿があった
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