4章

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「クレハ!?」


カノンが一歩身体をずらした背後にいたのはシュリではない、別れる前に見たままのクレハの姿があった
驚きを隠せていないフレイを少し悲しそうな表情をしながら見るクレハを一瞥してカノンはそのまま来た道と反対の方向へ去って行った


「久しぶり〜、フレイ。ごめんね、守れなくて」

「シュリが自分がいけないから無理をしてクレハを呼び戻したんだ。
けど気を付けるといい、フレイ王子。今のクレハに魔力は全くない状態だ。言うなればゲオルグのおっさん状態だ」


つまりは魔防、紙。
それは危険。大分危険。


「クレハも俺の大事な妹なんだ。心して護れ。“守護の紋章”を」

「よろしくね〜フレイっ!」


自分の記憶の中の彼女と寸分違わない笑顔に最後の戦いを前にしたフレイの心は少しの安らぎを得るのだった
長く離れていた2人の再開を残して、カノンは音もなく巣の場から姿を消した
これでシュリの願いは1つ叶えられただろう
シュリが安心してこの国から離れられるよう、この世界を回れるよう
今は何が起ころうともただ耐えてその時を待つのみ

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