4章

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 「で」

 「どこ行く?」


何事もなく(カノンを女と間違えられておっさんが絡んできた事以外)ファレナへ着いた2人
王子に協力するならその本拠地とやらに行けば良いものだが、決して協力する気はないので何処に行けば良いのかさっぱりだ


 「その本拠地の近くで良いんじゃない?」

 「近くか・・・じゃあヤシュナで良いか」

 「どんなところなんだい?」

 「温泉がある」

 「へぇ・・・じゃあ久しぶりにゆっくりできるかな」


少ない荷物を背負いなおし、2人はエストライズを出てヤシュナ村へと歩き出す
実力の差が分かっているのか、モンスターは出てこない
突っかかって来るのは野盗位なものだがそれすらも瞬きも追いつかないほど素早く無言のままに倒していった


 「ねぇカノン君。その王子様っぽい人が前から来てるんだけど」

 「うわぁ・・・今から逃げるのってあり?」

 「こっちに気付いたみたいだから無理っぽいよ」


いかにも面倒そうに言うカノンに苦笑いを含んだ声で諦めを諭す
キリルが見ている方へカノンも視線を向けてみると、服装も年齢もバラバラな人達に囲まれて楽しそうに話しているフレイの姿が見えた
キリルの視線に気付いてフレイがニコリと笑みを浮かべてお辞儀をしてきている


 「何あれ、僕もお辞儀返さなきゃいけない?」

 「しといたほうが良いと思うけど。本当に王子の事苦手なんだね」


まだフレイ達との距離があるが、小さな声で聞こえないように話している


 「苦手じゃない。嫌いなんだ」

 「これまたはっきりと言うね」

 「僕はあれが弟になるなんて嫌だね」
 (成る可能性は限りなく低いけど)
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