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□解放軍軍主少年との邂逅
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「おや今日は。私に何か用かな」


背もたれにしている自分が存在した瞬間から共にあるサクラの木を背に、どこからか吹く風に目を細めながら来訪者に笑いかける

―シュリ、または人としての自分をすべて送った存在と共通の名、イブ

後者の名を知るものは現在「人」ではおらず、また呼ぶことは許されていない
笑いかけられた少年は1人ではなくもう1人少し後ろに立っていた
けれどその少年は顔見知り、ではなく自分にとっては弟のような存在
挨拶代りにと上げられた手に同じように返し、自分の座る場所より少し離れたところに立ち止った黒髪の少年を見つめる


「君がレックナートが言っていた星の守護者?」

「まあ、レックナートならそう言うかもしれないね」

「僕らに手を貸してほしいんだ。僕らは今「知ってる」え?」

「すべて貴方の右手の紋章が教えてくれたから。いいよ、手伝ってあげる。でも戦争にはでない。それが条件」


悩むそぶりも見せることなく簡単に了承して見せた、ただの少女を見つめる
黙って少女を観察するティルの隣を通り過ぎたもう1人の少年、ルックは黙って少女に手を差し出て乗せられた手を引き立たせて服の裾に付いた草を払う


「私は人間通しの争いに興味なんてない。けれどそこに兄弟たちが絡んでいくのなら話は別。それにその紋章を託された貴方に興味がある」

「君は、ルックと知り合いだったのか?」

「そういえば名乗って無かったね、私はシュリ。ルックの師匠でお姉さんだよ。これからよろしくね、ティル・マクドール。テッドからソウルイーターを託された天魁星」

「ティル、先に言っておいてあげる。その紋章を宿している限り姉さんに隠し事なんて出来ないからね」


なんだそれ
ルックの言葉に俺が思ったのはそんな言葉だった
けどテッドが住んでいた、今は空家になっているはずの扉を開けて家に入るといつの間にかこの空間の中に立ってた
そんなものなのかと、なんとなく思ってしまうのも仕方がないと思えたのも事実

それに


「なんだか君が手を貸してくれると言った時からソウルイーターが大人しいんだけど、何かした?」

「これから大変な思いをするだろう貴方に少しばかりの手助け。ソウルイーターの欲求を少しだけ抑えてあげる」

「ちょっと、そんなことして姉さんは大丈夫なんだろうね?」

「これくらいなら平気。けれどティル、忘れないで。私は抑えるだけで紋章の試練が無くなたった訳ではないんだよ」


それはどういう事だ
そうティルは問いかけようとしたけれど、それはシュリの無言の笑みに遮られシュリとルックの2人とティルの間に強い風が吹き
思わず閉じた眼を開けばそこは自分たちが本拠地として使っている湖の古城の屋上だった


「私はルックと同じ部屋で良いよ。ルック、案内して?」


手をつないだまま歩き出すルックに笑って着いて行くシュリがティルとすれ違う時、服の下へ入れていたのだろう蒼い石のネックレスが月の光を反射してキラリと光っていたのがやけに印象的だった




真紋・真紋持ち>・・・ティル>特殊紋章持ち・・・その他
今のシュリの関心はこれくらい

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