亀更新部屋
□だれかのためのただひとつ
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01
「リリアーセベクが居ないー」
「なんじゃと?なぜ鏡の間からここまでで居なくなるのじゃ」
「ついでに言うとシルバーも寝てる」
「それはいつも通りじゃろ。ふむ・・・まあセベクならば説明も追々でよかろ」
眠っていて意識のないシルバーをヒョイと抱え、新入生を寮へ案内するリリアの隣を歩く
前の年病欠で出席日数が足りず今年も2年生をするエメローゼは本来なら別行動なはずの彼女がここにいるのは単にここにいるはずの我らが寮長の代わりなのである
「む・・・」
「シルバー、起きたなら自分で歩いてよー?もう君の方が身長高くなっちゃって運びにくいんだからー」
「すまない。ローゼがそばにいてくれるとスッキリと目覚められて助かる」
「その様子だと式に出られない私に式中のセベクの様子を教えてくれるって言ってたの無効っぽいね?」
「その通りだな」
「ふふふ・・・シルバーが相変わらずで安心した。今年は色々大変なことが起こりそうだからシルバーも気をつけてね」
エメローゼから離れてすぐ隣を歩くシルバーをちらと見てからリリアに声をかけた
「ねぇリリア。私今日の夕飯いらないってマレウスに言っておいてくれる?」
「む?大丈夫なのか?」
「見て私の髪・・・今朝リリアにご飯貰って綺麗なグリーンのバラが咲いてたのに、くすんだ色してるでしょう?」
「・・・成程な。うむ伝言は任されたがその代わりシルバーは連れていくんじゃぞ。
シルバー、ローゼの事は頼んだ」
「親父殿、俺は部屋の中まで入る許可はされてませんが?」
「今日はわしが許可する。マレウス不在の時に万が一があってはいかんからな」
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