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「さて、月夜。次はどこに行きたい?」
「 」
「じゃあ家に帰る前に父さんたちと行く予定だったところに行くか。家族で行く予定だった場所で父さんと母さんにレクイエムを贈ろう」
丁度明日が両親の命日
約一年前、両親はピアノの世界ツアー中に殺された
その時からどこに行ってもどんな時でも二人は常に一緒
「そうだ、明日は丁度フランシスも来てくれるらしい」
「 !」
「ああ。僕たちが無事にあの国から出られたのもあの人のおかげだもんな」
「 」
「そうと決まれば今日はもうホテルに戻ろう。朝一で向こうに行けるチケットはもう今取ったからな。フランシスにも合流する事伝えとく」
「 」
「月夜だって俺のしてほしいことしてくれてるだろ?俺はやりたいことしかやってないの分かってるだろ」
「 」
「誰が何と言おうと、俺たちはお互いが納得するまでずっと一緒だよ」
月夜の左手をとり指に収まっている指輪をそっと撫でる
同じように朝陽の手を取りぎゅっと握りしめた
2人の指に収まっているのは両親の形見の指輪
両親がこの世から居なくなったその時から、2人はずっと一緒
失ったのは両親だけではないから、慎重に選ぶのだ
残った大切なものまで失わないように