txt
□reflex
1ページ/1ページ
私が翳したモノに君は目を丸くした。
「…それ、本物…じゃ、ないよね?」
「玩具な訳無いでしょ。試しに撃って見せようか?」
一気に青ざめた顔に笑いが込み上げる。
「…なんでそんなモノ持ってるの?」
「これが仕事だから。」
「…仕事?!まだ二十歳なのに?!」
「君がいけないんだよ。」
私の言葉に驚愕と裏切られた憎悪で顔が歪んでいく。
あーあ、君の指が好きだったのに。
一瞬、彼の表情が変わったのを私は見逃さなかった。
不意にキスをされた刹那、私の反射神経が働いた。
空気さえも止まったこの空間に
銃口から出る白煙だけが音も無く揺れた。
END.