小ネタ集
□HAPPY BIRTHDAY2010!
1ページ/1ページ
「カービィ、お届け者だよ」
「はーい?」
バタバタと物音がして、それから少々待った後。ひょっこりと家の主が扉から顔を出した。カービイだ。
「あれ、ずいぶん大きな荷物だね?」
「はいはい、ここにハンコを押して」
配達員のワドルディはぎこちなく用紙を渡す。大きな荷物に夢中になっていたカービィは「ああ、ごめんごめん」と笑い、ハンコを押した。
「ん、じゃあね。生物だからお早めに」
「お疲れ様ー」
ひらひらとご機嫌で手を振り、カービイは配達員を見送った。
「なんだろ、これ。んん?大王から?」
送り主はデデデ大王。自称プププランドの王様。生涯のライバルになるであろう人物からの贈り物とは珍しいこともあるものだ。
「生物って言われたし、開けてみようかな」
ピンクの大きな箱に付いた赤いリボンをほどく。
「わぁお!おっきいぃ!」
入っていたのは大きなケーキだった。そう、特注だろう特大サイズのイチゴケーキ。真ん中に置かれたチョコレートには大きく「いつも有難う」の文字。
何が有難う、なのかは分からなかったが、特注特大ケーキにカービィの瞳は星のようにきらめいていた。
「大王様、直接届けたらよかったんじゃないですか?」
「うるさいっ!」
喜ぶカービィを窓の外で覗き見ている主人の側で、ワドルディはそっとため息を吐いた。ちゃんと自分から「この国を守ってくれて有難う」って言えばいいのに。
「変なとこで素直じゃないんだから」
短い手をパタパタと動かし、そんな主人を見守るワドルディ。
今日もプププランドは平和です。
*ハッピーバースデイ、カービィ!
2010.4/27