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□花言葉/ホトトギス
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俺は永遠にあなたのものです。
地球に咲いていた花はとても綺麗だった。それを見るたび見とれていた。そして、口ドリゲスに笑われた。
「君は花が大好きなんだね。」
そう言われた時は、やはり自分も母の血を引いているのだ、と思った。母上は花が大好きで、品種改良しているぐらいだから。
眞魔国に帰る時に友人に花を渡されたときはびっくりした。その花は「ほとどぎす」というらしい。
花言葉は、−一そう。
「永遠にあなたのものです。」
「……え?」
今の言葉を聞いて、たちまちユーリは顔を真っ赤にさせた。
「あ、あんた今のって!」
そういうところが可愛いと思う。だけどそう言うとユーリは「全然可愛くない!」と反論するのだけど。
「花言葉です。地球の「ほとどぎす」っていう花の。」
説明すると、あぁ、とユーリは元に戻った。
「よく知っているなぁ、花言葉なんて。」
そう言うと、腕を組んで真っ直ぐこちらを見てくる。
「友人が教えてくれたんです。」
(永遠にあなたのものーー、ユーリちゃんのナイトである、君にぴったりだろう?)
そう言うと半ば強引に花を渡された。
苦笑しつつ受け取ったが、あの友人には本当に感謝している。
「花言葉かぁ……。」
しばらくユーリは黙りこんだ。そしておもむろに顔をあげた。
「じゃあさ、今度地球へ行ったときその花をコンラッドにあげるよ!」
うん、決めた!とユーリは笑った。
俺は驚いて、彼を見つめる。
「え?いいんですか?」
「バカだな、当たり前だろ?コンラッドにはきっと似合うぞ!」
優しい風が吹く。
好き、とまだ言えないけれど一一、いつか伝えよう。
「俺は永遠にあなたのものです。一一ユーリ。」
風に乗って、どうか届いて。
END