小ネタ集

□奇跡が起きたらいいのに
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「もしもボクたちが別々の道を歩むことになるなら、遊星はボクのことを応援してくれるのかな」
「別々の道、か」
 遊星が考えているのをブルーノが期待するように見つめる。
 ブルーノは正直自分が行く未来というのを想像しかねていた。だからいつか自分が選び取る道を遊星が応援してくれるのなら未来に纏わる不安を取り払えるのでは、と思ったのだ。
「たとえ別々の道を歩もうとも、俺達は絆で繋がっている。ブルーノ、お前の選んだ道がどんな道だろうと俺は応援するし絆は途切れない」
「遊星……。有難う」
 励ましてくれる遊星の言葉にブルーノは涙腺が緩んだ。絆は繋がっているのだと、そう言ってもらえたのがとても嬉しく感じた。何故かはわからない。わからないけれど、隣に誰かがいてくれることが心強いか、ブルーノは知っている。
「ブルーノ、お前がいてくれると心強いよ」
「ちょっと照れるなぁ」



(たとえ死んでも、絆は繋がっているよね)
 彼の伸ばす手を取れないのは少しだけ残念だ。
 たとえ別々の道を辿ろうとも、絆は繋がっているのなら。この想いを、希望を。絆とともに繋げよう。
「遊星……」
 彼らの作る未来はどんな世界だろう。

 ボクは応援してるよ。君のことを。皆のことを。だってたとえ道を違えようと絆は途切れないんだから。
 ボクは君の傍にいる。

 不思議と穏やかな気持ちで、身体の砕ける音を聞いた。みんな大好きだったと思い返しながら。









2011.9/24
修正 2011.11/2


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