Show Girl
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妖精の尻尾
魔同士ギルド。
正直問題だらけのギルド、それが妖精の尻尾だ。
ブッ飛んだギルドだけに、ブッ飛んだ問題児が数多く存在する。
そんなギルドの一員ツバサもある意味お騒がせで有名な問題児の一人だ。
「ごめんな、無理だ」
「どうして!?アナタのことをみんな狙っているのは知っているわ!だけど私は誰よりもアナタを好きな自信があるわ!」
ロングヘアーをクルクルと器用に巻かれた髪。
服装は、一言で言うと今風な服だな。
まぁブーツを履いたミニスカお姉さんとでも呼ぼうか。
身長は自分よりも低く見上げられている状態だ。
上目遣いってヤツで…
大きな目には涙が溢れてしまいそうな程にウルウルさせているときた。
「…好きな子がいるんだ」
好きな子なんて居ない。
だが女の子ってゆうのは大体この一声で諦めてくれたので、今回もいつもの決まり文句で切り抜けようと思う。
だがしかし、誤算が起きた。
目の前に立った女の子は引き下がらなかったのだ。
「まさかあの噂…本当にルーシィが好きなの!?」
そんな噂が立っていたなんて…。
確かに仲は悪くはない。むしろとても仲が良い方だ。
それがどう転んで好きに発展するんだ?
「そんなの関係ねーだろ」
「否定しないんだ…」
この誤算をどう切り抜けようかと考えた結果、少し強めに言い返してみた。
するとポロリと…ギリギリで留まっていた涙はついに溢れてしまいこぼれ落ちてしまった。
あぁああ…!?泣いちゃった!?
そんな綺麗な涙なんて見せられたら俺の心がチクチクと痛くなるから泣き止んでよ…
ってゆーか泣きたいのは俺の方だ…
一緒に泣き出したい気持ちをグッとこらえながらそんなことを一人思っていると、
バチンッ!!
と、言う効果音がとても似合うビンタが
頬にクリーンヒット。
突然襲ってきた痛みのある左頬に手を当てながら目を丸くして固まる。
女の子は叫びながら、
「ちょっとカッコイイからって調子乗ってんじゃないわよー!!」
と、逆ギレをし走り去って行く。
そんな姿をじわじわと痛みが増してくる頬と共に唖然と見送った。