Show Girl

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「グーレーイー!起きろー!」


ツバサは扉越しに叫んだ。

朝。
お腹が空いて目が覚めた
私の腹時計が八時ジャストにグーッと鳴ったのだ
大抵の夜更かしをしない限り、毎朝同じ時間にお腹が鳴りそれで目を覚ます。
なんて便利な身体をしているのだろう
我ながら自分の身体に感心してしまう

着替えを済まし、ギルドへ向かう準備をしている間に起きるだろうと思っていたが、一向にグレイの部屋の扉が開くことは無かった
いつもなら起きてる時間なのに今日は遅すぎる。

目覚めてから一時間が経った。とっくに準備は終わっていた
流石のお腹も悲鳴が止まらず、イライラが最高潮に達した
痺れを切らしグレイの部屋に入り、起こしに掛かった。


「グレイ!起きろ!!」


一回目と違い、二回目はこんな近くで叫んでいると言うのに、それでも起きる気配が無い。
かなりの爆睡モードだ。

夜更かしでもしたのか?
グレイの寝顔を見ながら、どうしようかと考える

ふと、グレイの顔に掛かっていた前髪が気になって、何となく自信の右手で払ってやった
それから特に気にもせず、そのまま右手をグレイのおでこに置いた

何分程そうして居ただろう?
何だかとても懐かしい気持ちになった。

暫くの間そうして居るとパシッと静かに、右手首を掴まれた。


「ツバサ…?」


眩しそうに目を細めたグレイと目があった。
行き成り手首を掴まれ、名前を呼ばれたので、驚いて手を引っ込める作業を忘れていた。





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