Show Girl

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「お帰りツバサ」

「………」

「ツバサ?」


どうしよ…
バレちゃったルーシィに
私が頑張って隠し通してきた自分が女であることが。
それがあの一瞬の出来事でバレちゃった…


「オイ!」

「…グレイ居たの」

「居るに決まってんだろ?」


どうやって此処まで帰って来たんだろうか…?
帰って来た道、全然覚えてないや
気が付けばグレイが居たし


「お前どうしたんだよ?帰って来るなり浮かない顔して」

「…どうもしてない」

「まさか、ルーシィと一線越えたか?」


どうして、この男はニヤニヤしてそんなことを聞くのだ
一線越えたも何も踏み込んでは行けない所まで行ってしまったよ…

これも全部グレイの所為だ
朝出て行く前に良からぬ事を言い出したグレイの所為だ!


「グレイの、グレイのせいだからな!」

「はあ?意味解んねえよ」

「グレイのせいでバレたんだからなー!」

「何が?」

「俺がお…」

「お?」

「お……お鍋が好きなことがだ!」

「お鍋だぁ!?」


何やってんだよ私…
グレイの所為だと自分に自己暗示をかけていたら、危うく自ら正体暴くとこだったじゃないか

何だよ鍋が好きって…
苦しかったとは言え、自分で言った言葉に溜め息か出る

グレイも私が何言ってるのかさっぱり分からないよな
だって私も分からないもん…


「ツバサオマ、」

「俺風呂入って来る!」


何か言われる前に私はお風呂場へ逃げた。





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