Show Girl

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「やーだぁ!お引っ越ししたくない!」

「ごめんねツバサ、パパのお仕事の都合なの」

「パパなんてきらーい!」


ママ、パパ。
私にも両親居たな…
でも何故だろうか?
顔が、顔が思い出せない


「‘   ’とお別れイヤ!」

「ツバサ…」


アレ?
私、誰の名前を呼んだ?
確かに私は誰かの名前を言ってるのに、ぽっかりと穴が空いていて誰だか分からない
あの空白は誰のコトを言ってるんだろう…

記憶が無いって気持ち悪いな。
ずっと何かが引っ掛かっている感じだ
妖精の尻尾に来てからだ
前まではこんな夢見た事無かったのに…

たまに見る夢は全て私自信の夢


「オイ、」

「………ん…」

「風邪引くぞ?」

「お…」

「病み上がりだろーが?」


私の覚醒を促す人物に夢から覚めろと言わんばかりの声が聞こえる

昔なんてどうだっていいじゃないか
今が、今を精一杯生きて行けばそれでいい
そんなコトを思い自ら夢の中から出て行こうと声に導かれて起きていく
半分眠っていて、半分起きている脳を働かせゆっくりと重い瞼を開けて行く


「……」

「起きたか?」

「…パンツ姿のグレイが見える気が…」

「あ?パンツしか履いてねぇんだから、そりゃそうだろ?」


目を開けて最初に飛び込んで来たのは相変わらずな格好のグレイの姿

先程まで思い出す事の出来ない気持ち悪い夢の中に居たので、目の前のグレイの姿は安心を覚えた
だって、此処は夢じゃないって実感出来たから





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