Show Girl

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つまらない日々に嫌気がさしていた
ツバサが居なくなったと同時に俺の心にもぽっかりと穴が開いてしまった

親父の跡を継いでギルドマスターになったが、所詮正規ギルドとは違う
闇でしか存在する事が出来ない毎日

ベンチに座り何をする事も無くただ座っていた
不意に横に目をやれば一冊の雑誌が置かれていた
前に座っていた奴が置いていったのだろう
別に何を思う事も無くその雑誌に手を伸ばし中をペラペラと捲っていった


「……ツバサ、」


数年経った今でも名前を見なくても直ぐに分かった。
でも何故男になんかになっているんだ?

他は騙せても俺は騙せないよ。
周りの仲間達と共に笑顔のツバサが中心に写っていた

俺はあの日のまま止まっていると言うのに、抜け殻だったツバサはどうしてこんなにも笑っているんだ?
横でツバサの肩を組んでいる男は誰?
気になり、その男の紹介ページが目に入る


‘グレイ・フルバスター’


そうか…
そういうことなんだねツバサ
アイツの隣に居るからそんなにも嬉しそうなんだ

妖精の尻尾、ね…


「ツバサは最後に俺だけを見ていればいいんだ」


ツバサだけに楽しい思い出は作らせないよ
ちゃんと思い出に俺を入れてくれなくちゃね?

街の住人になりすまし、誰も裏切れない様に見張っていた俺。

その立場は賢く使わないとな?

そして街の住人に妖精の尻尾に依頼をすれば言いと促した。

これは賭けだった
ツバサが来るかさえ分からなかったが、でも君は来た。

来た時点でツバサの運命は決まってたんだよ?


「最後に俺との思い出を作って…殺してあげるツバサ」





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