Show Girl

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「やっぱ外の空気はウマいなあ!」


ツバサはうーんと伸びをし、肺にたくさんの空気を入れた

目覚めてから一週間。
物凄い回復力で早々と退院に漕ぎ着けた
だが、まだ全身の包帯は取れない
刺し傷が所狭しと散りばめられた身体は回復したと言ってもやはりまだ痛む

久しぶりに伸ばした腕は傷口が伸びて少し痛んだ


「でも良かったね、傷口は残らないって」

「さすがに腹は残るみたいだけどな」

「お腹ぐらいなら大丈夫よ!女の子なんだから、少しでも傷は無いに越したことないわね」


勿論ルーシィとツバサだけの会話。

腹部以外の傷は、幸い軽いものだったので自然と消えていくだろうと医者に言われた
流石に腹の傷は深かったので、少々の跡が残るらしい

コソコソとツバサに耳打ちをし、ルーシィはツバサを正面から凝縮する


「どーした?」

「ツバサ、」

「ん?」

「退院おめでとー!」

「ちょっ、痛い痛い!さすがに痛いぞルーシィ…!?」


急に見つめられたかと思いきや、まさかの抱き付きにツバサは涙目で固まった
感極まってルーシィは色々な意味を込めたハグをツバサにお見舞いした

痛がるツバサについ、と零しエヘヘと笑って離れた


「ツバサ様!ジュビア、ジュビア…今日だけっ…!」

「あぁあ゛ああぁ゛…!?」


そして更に突然、目の前に立ったジュビアが抱き付いて来る。
先程ルーシィから貰った痛みをもう一度くれたジュビア
飛びつく様にジュビアが抱き付いて来た為、濁音混じりの悲鳴をあげたツバサ

最早ジュビアを抱き留める余裕すら無く、両手を広げて痛みに耐えた


「大胆行動ありがとう…」

「ツバサ様、ごめんなさい!」


ルーシィはよくあるから気にしてないが、ジュビアからのハグは何気に初めてだったのでツバサは思ったままを口にした

泣き叫んだツバサから直ぐに身体を離したジュビアは、深く頭を下げ謝った





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