Show Girl
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「安いとこ…でもユニットバスは嫌だ…商店街は近くがいいな…あーお腹空いたなぁ」
菓子パン片手にペラペラと雑誌を捲っていく
ブツブツとテーブルの一角に座るツバサは、一冊の雑誌と格闘していた
どれもこれもしっくりとこない
広い所は勿論高いし、かと言ってケチったら狭いし、風呂とトイレは繋がってるし
でも商店街は絶対に近い所がいいし
だってお腹空いたら直ぐに買いに行けるし
でもそうなるとやっぱり高いし…
「難しいな〜」
残り一口のパンを放り込み、雑誌から目を離し両手を広げて後ろに身体を伸ばした
一緒に顔も後ろへとやれば、直ぐ後ろに立っていたナツと逆さまに目があった
「一人でブツブツ何言ってんだ?」
「お部屋探しは難しいですね〜って呟き」
ツバサの顔を逆から覗き込むナツに言い、それを聞いたナツは、面白がる様にニヤニヤと笑い出した
「とうとう家出するの?」
「何その言い方…」
ナツとツバサの狭い隙間を割って入ったハッピーかドアップに映った
と言うか、最早おでこにハッピーがぶつかっている
そんなハッピーは頭の下に両手を忍び込ませツバサの顔を起こし、反っていた身体は戻された
「ハッピー!俺この家がいいぞ!」
「あい!すべり台付のお風呂〜オイラもココがいいよツバサ」
「どれー?おぉッ!ナツもハッピーも良い所に目付けたな!この家決定だな」
隣に座ったナツは、ツバサが読んでいた雑誌を横から捲り発見した家に目をキラキラと輝かせてハッピーに振る
雑誌にへばり付き食い入る様にナツが指した家を同様にキラキラと瞳を輝かせてツバサに振るハッピー
そんな素敵な風呂を持つ家にツバサも雑誌に目をやり一緒に興奮
一瞬の内に主旨が変わったが、ツバサは只今、引っ越す為の部屋探し中…
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