Show Girl

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「治ったー!」


傷もすっかり癒えた頃。
さすがに跡の残ったお腹の刺し傷は消えないも、他の箇所は綺麗に塞がってくれた

傷跡を見る度に思い出すアオイ
戦う事になり、危ない所まで行ったがなんとか勝利する事が出来た
だが、記憶が戻った今何処か腑に落ちないでいた
色々合ったがやっぱりアオイは昔を共に過ごした数少ない友人の一人

アオイがどれだけ酷い悪党だったとしても…


「今度会いに行ってみるかな」


アオイとだって楽しい思い出は沢山ある
聞いた話では、最後は自分の為に涙を流してくれたと言う

お人好し過ぎるかもしれないが…

まあ一つぐらい、皮肉を言いに会いに行ってみるかな、とツバサは思った


「でもその前にっと、」


カウンターに頬杖を付き微笑んだ

傷も癒えた。
身体はもう動かしても大丈夫

治ったら会いに行こうと思っている人がいた
側に居なくても助けてくれたあの人に久しぶりに会いたかった

どうして今の今まで存在さえも忘れていたのか不思議なぐらいにお世話になった師匠


「モモ元気かな」

「ツバサ仕事行くぞ!」


そんな事を思っていると、ナツに声を掛けられた
振り返れば、ナツの横を飛ぶハッピーにルーシィ、エルザとグレイが並んで立っていた


「身体馴らしにどうだ?」


エルザから依頼書を受け取り目を通す。
場所は鳳仙花村
内容は簡単に盗賊退治とだけ書かれていた


「鳳仙花村!?行く行くー!」

「ヤケに食いつくな」


エルザが首を傾げ訊ねればツバサは薄く微笑んだ

そう鳳仙花村は、恩師モモの居る場所。
少し入り組んだ場所に会いたい人が住んでいる


「ちゃんと仕事してからだよ?」

「なんだよハッピー、その目は?」

「ツバサが居酒屋へと直行しそうだから忠告です」


低い位置から見上げて言うハッピーを蹴り飛ばす。
微笑みを別の笑みで捉えた結果、てんで的外れな事を言うものだから蹴り飛ばされた始末


「食うことばっか考えてんじゃねえんだからなー!」


飛んで行くハッピーに向かって拳を突き上げ叫んだ





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