SHORT STORY

□愛の囁きは寝言から
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な、何で?
どうして隣で寝てるのグレイ…?


「苦し…ぃ」


朝目が覚めるとあたしに絡み付く様に眠るグレイの姿があった

最近ジュビアが妖精の尻尾に入ってからと言うもの、四六時中グレイに引っ付き虫
当然グレイの彼女と言う位置に居るあたしからすれば良い気はしない訳で…
かと言ってジュビアが嫌いって言う訳でもない

まあ、単なるヤキモチってヤツ

だから最近は、グレイと二人の時間が全然なかった
あたしもあたしで拗ねてグレイを避けてたし

でも今は隣であたしを抱き締めてくれているグレイ
今は、今この時間だけはあたしだけのグレイだよね


「…すね…な、よ…」

「え?」


急にグレイが喋り出したが、でも目は瞑っていた

寝言かな?
しかも拗ねんなって…
グレイの夢の中にあたしは登場出来てるのかな?

せめて夢の中のあたしには、ちゃんと構ってね

グレイの寝顔を見ながらそんなことを思う
すぐ真横にあるグレイの頬にチュッとリップ音を立てキスを落した

すると、それと同時にグレイは抱き締める力を更に強めた


「す…き、だ…か…らよ」

「グレイ、」

「ちゃん、と…」


‘好きだからよ、ちゃんと’


グレイ、あたしも大好きだよ
ただの寝言で、あたしをこんなに幸せな気持ちにしてくれるのはグレイしか居ない

不器用だけど…
ちゃんとあたしのこと考えてくれて、家にまで来てくれた
あたしはこの小さな幸せの時間を嬉しく思った。

ギュッと抱き締めてくれるグレイにあたしも腕を回し、グレイの胸板に顔を埋めた


「ジュ…ア、んなに抱き、つく…なよ」


 …前言撤回。

ただ今、幸せではありません
この変態のせいで幸せが一気に崩れ落ちました。

一回逝っとく?


「アンタ誰の夢見てんのよー!?」


その後グレイがボコボコにされたのは言うまでもない。



愛の囁きは寝言から
(…ぃてェ、)
(こんな所で寝てないでジュビアのトコに行けば?)
(何で怒ってんの…?)
(自分で考えろ、バカッ!!)

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