SHORT STORY

□小悪魔の拷問…
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それはお昼の出来事。

隣で気持ちよさそうに眠る彼女
そりゃ昼飯食ったら眠たくなる気持ちも分かる


今日は外もポカポカと暖かくて過ごしやすい一日




俺は天気の説明したいんじゃねぇんだぞ?




つまり、俺が言いたいのは…
いつまで寝るんだってハナシだ

昼から寝て、今は夕方だ
昼寝どころじゃない熟睡ようにいい加減飽きてきた



今だにベッドを占領して眠る彼女にさっきから起こしに掛かろうと話し掛けてるんだが、返って来るのはうーんだ、あーだ


何なんだこの拷問…



そのいかにも誘ってるかの様に出てる生足はなんだ

こうゆう時に鍵ってワンピースなんか着て来るコイツの無神経さに振り回されて疲れてる俺ってどうなんだ…





「そろそろ起きようか〜?」

「…もちょっ、と」





…何なんだ。
本当になんだよコイツ


どこでそのエロい声を覚えて来たんだよ!?


自分の彼女ながらすっげー可愛いと思ってしまう俺はおかしいか?



見て待ってるだけじゃ、どうしようもないこの誘惑に勝つ為に再度起こしに掛かって見たもののまたしても遣られた



あーそーかよ

この俺にそんなに寝込みを襲われたいってことで解釈していいんだな?




「グレ………ぃ」




おいっ!
そこでタイミングよく俺の名前を呼ぶな


まるで天使の様に見えてきたコイツに疚しい考えを盛っていた自分を振り払った



いやコレは天使なんかじゃねぇ

可愛い仮面を被った悪魔だ…




こんな拷問酷すぎる。
それは悪魔であるからこそ出来るこの無意識の仕打ち



俺の名前を呼んだかと思いきやまた、うーんと唸って横に寝返りをした



グレイはそんな眠る彼女をジーッと見つめては静かな拷問に堪える。



そして思い付いたのだ




ニターっと意地の悪い、でも何処かやらしい目付きでニンマリと何かを企む。



ある場所を目掛けて我慢の限界が来たグレイは静かに覆いかぶさって行く




少し顔を歪めた彼女に対して満足な笑みを浮かべるグレイ






「今日のとこはこれで勘弁してやるよ」




彼女から離れたグレイは静かに耳元でそう呟いた。



小悪魔なヤツには少しのお仕置きが必要だろ?

だから今日はコレで勘弁してやるよ



















「ごめんね…こんな時間まで寝ちゃって」




やっと起きた小悪魔ちゃんは顔の前に両手を合わせて謝る





「いーよ、それより腹減った」

「うん!ご飯行こっか」





元気の良い返事と笑顔を見て、吊られて笑う


だが俺は‘ある場所’を見付けてもっと笑顔になる



適当に用意をして飯を食いに家を出る


食いにっつってもギルドだけどな





「いっぱい寝たから夜寝れるかな?」

「そうだな、夜は俺と遊んでもらわないとな」





俺は頑張ったんだ
あの拷問に耐え切ったんだから夜は堂々と…



ま、その前にお楽しみが待ってるってな





「おはよー!ご飯食べに来たよ〜」

「おはようってもう七時だけど?」

「うん、さっきまでお昼寝してたから」



ギルドに着くなり走り出しおはようと呑気にみんなに挨拶をする


それをすかさずルーシィがつっこんでいた


俺はそれを見送ってカウンターの隅にゆっくりと腰を下ろした




「なあ」

「ん?どうしたのナツ?」

「なんだそれ?」




少し先から聞こえてくる会話を盗み聞く


あの鈍感なクソ炎もさすがに目に留まったようだ



そりゃそうだよな
あんだけデカくて真っ赤だもんな





「あー…グレイね」

「なに!?なんかなってる?」

「グレイ?意味わかんねーよ」



ルーシィはいち早くそれに気付き頭に手を充て、少し頬を赤らめる

ナツは全然意味が解らない様子で騒ぐ


でももっと意味が分かっていない本人は一人あたふたとする





「ほら、コレよ」

「………えーーー!?」

「なあ、何だよそれ!」




ルーシィは持っていた手鏡で彼女に見えるようにそれを写した


それを見て一瞬固まりことの出来事に気付き叫んだ。





「グーレーイー!!」

「ん、どうした?」




白々しくそう言った

おぉー来た来た

怒っても可愛いアイツがプリプリ頬を膨らまして俺の方に寄ってきた



眠っている小悪魔ちゃんに俺の物だと解らせる‘跡’を残した

まあ、ナツには通用しなかったけどよ


俺以外のヤツにでも無防備な姿を晒した時の対策ってヤツか?

拷問に耐えたんだ
このぐらいの遊びぐらい許されるだろ?





「なあ、ルーシィ何だったんだよアレ」

「ナツはホントお子ちゃまなんだから…アレは、キスマークよ」

「…なんだそれ?」

「もーいいわ…」



キスマークと言う代名詞を出して説明したにも拘わらず、根本的に分かっていないナツに対してルーシィは呆れていた。







END

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