SHORT STORY

□クルシンデマス
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「ヤーバーイー!」

「何がだよ?」


状況は相変わらず…

グレイとラブラブでクリスマスを過ごしたいのに!過ごしたいのに…!

あることに気付いた

気付いたのはグレイとクリスマスを過ごす以前の問題。
その前にラブラブにならなくてはいけない
カップルでも何でもないのにラブラブとか言っている場合じゃなかった

更に悩みは増え、クリスマスまで日がない上に状況は最悪。

いつものことながら一人で叫んでいると、あたしのヤバイ発言に疑問を持つ人物が話しかけて来た

それは、今最もあたしを悩ませている張本人だった


「グ、グレイ…!」

「何かヤバイことでもあったのか?」

「う、うん。グレイが下着姿だからヤバイなと思って」


登場したかと思いきや、いつもの如くパンツ一丁姿なグレイ
あたしがグレイにそう言うとグレイはいつものように、やっちまったと慌てていた。

そんなあたしは下着姿のグレイに胸キュン

だって、だって…!
パンツ一丁だなんてグレイ大好き人間のあたしには、どんな姿をしていたってカッコイイとしか言いようがない


「で、どうしたんだよ?」


仕切直しと言うか、落ちていた服を回収し最後に上の服を着て顔をスポッと出しながらグレイが再度あたしに聞いてきた


「ラブラブしたいの」

「は?」

「ラブラブでイルミネーションを歩きたいのー」


歩きたいのはもちろんグレイとです!

そんな思いを込めてグレイを見つめる
でも当の本人グレイは頭にクエスチョンマークいっぱいであたしを見返すだけだ

あぁ、あたしの気持ちはどうしたら届くのだろうか?

これはもう、最後の賭けに出るしかない!


「グレイ!あたしを宜しくお願いします!」


そう言って頭を下げてグレイに握手をしろと言わんばかりの形を取る
そんなグレイは全く訳が分からずに出されたスナの手を取り握手をし返した


「本当に!?」

「え?」

「ありがとーう!」


握り返されたグレイの手をスナはマジマジと見つめ目がぱあっとキラキラと輝く

そしてグレイ大好きだよーッと捨て台詞を言いスキップしながら去って行った。


「ミラさん分かった?」

「スナすごいじゃない!」

「本人はさっぱりみたいだけどね」


そんなグレイとスナのやり取りを一部始終見ていたのはもちろんミラとルーシィ
スナの天然発言で全く理解をしていないグレイを他所にミラとルーシィはバッチリ解析済みだ

ミラのすごいと言うのはスナがグレイに大好きだと言えたことに対して
解析するのは握手のやり取り
その前のスナのイルミネーション発言も絡ませる
そしてあたしを宜しくと言ったスナ

繋げると…

ラブラブでイルミネーションを歩きたいのであたしを宜しくお願いしますと言った…つもりのスナ

握り返されたグレイの手はオッケーの返事だと勘違いをしている。

だから最後に捨て台詞

‘グレイ大好きだよー’


「あんなんでグレイが分かる訳無いでしょーが!」

「あら、でもスナすごい進歩よ!好きだって言えたんですもの」

「勘違いでね!でも…」


長い間グレイに恋するスナを見てきた二人
当然スナだけでなくグレイも視野に入る
だから二人はグレイの気持ちも把握済みだ

後は天然スナの為に一仕事してあげればラブラブクリスマスも目前だ


「ちょっと!スナに好きって言われたからってボケッとしてる場合じゃないわよ」

「お、おい…!」

「もうグレイがスナのこと好きなのはお見通しなんだからね」


カウンターから少し離れた場所に居るグレイに向かってルーシィが叫ぶ
グレイはルーシィの一言に慌てて席を立ちルーシィの元へ駆け寄った。

案の定、グレイはスナからの言葉を頭の中でリピートさせていた


「いい?よーく聞きなさいよ」

「グレイ、スナを宜しくね!」


相手がスナのことを好きな以上、黙っておく必要はない
ルーシィは今までの経緯、先程のやり取りをグレイに説明する。
隣でミラは終始、笑顔を浮かべグレイとスナがカップルになることを前提にグレイに宜しくと伝えた


さて、二人の運命はいかに!?



TO BE CONTINUED

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