SHORT STORY

□タノシミマス
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12月25日。
遂にやってきましたー!
クリスマス当日です
グレイとラブラブクリスマスを送る日ですよー!

興奮しすぎてなかなか寝付けなく、でも寝起きはかなり良かった
とびっきりお洒落して念願だったグレイとのデート

でもその前にあたしはグレイとカップルになったもんね

思う存分ラブラブ出来る!


手を握り返してもらっただけなんだが…
それだけで想いが通じたと思っているスナはある意味幸せ者だろう。


「あぁ!あたしグレイの連絡先知らない…!」


お洒落するのも良し
ラブラブしたいと思うのも良し
でも肝心なことが一つ。
スナが勝手に一人で話しを膨らませているのだから、当然クリスマス当日のことは何もグレイと約束していない

そしてグレイの連絡先も分からない…

全てがスナの妄想により成り立っているグレイとのデート
当日と言うのに、とんでもない壁にぶち当たってしまったスナ


「おい、スナ」


絶望の淵に一人立っていたスナに神様が舞い降りた瞬間

スナはそう思った

玄関のドアをドンドンと叩きながら自分の名を呼ぶその人物に心が躍る


「スナー、寝てんのか?」


声の主に驚きと嬉しさが込み上げてきて、名前を呼ばれているにも拘わらずドアを見つめたまま突っ立つ


「寝てんなら帰るぞー」

「起きてる!起きてます!」


グレイの帰る発言により我に返ったスナは急いで扉を開けた
そのあまりの勢いに驚き少し後ろに後ずさったグレイは、


「いつもと雰囲気違うな」

「おめかししたの!」

「可愛いじゃん」


キューンっとあたしの胸が高鳴った瞬間だった
だって可愛いって言ってもらえたんだもん


「グレイどうして?」

「ん?…あぁ何で居るかってか、時間とか約束してなかっただろ?だから朝から来たんだよ」


スナの相変わらずな主語のない発言を理解したらしくそう言ったグレイ


「ラブラブでイルミネーション歩くんだろ?」

「う…うん!」


あたし今すっごく幸せです

グレイが朝からあたしを迎えに来てくれ、大好きな人とイルミネーションを見に行けて…

それをグレイが口に出して言ってくれたことが嬉しいのです


「でも本当にあたしとラブラブしてくれるの?」

「昨日約束しただろ?」


グレイはスナにそう言って優しく微笑んだ

約束と言うのはあの握手のこと
昨日ミラとルーシィから全ての謎を聞いたグレイは全てを理解した上で今日、スナを迎えに来た


「じゃ、行くか」

「はい!」

「ラブラブか、手でも繋いどくか?」


困らせてやろうと思い意地の悪い笑みを見せスナにそう言ったが、


「是非、繋いで下さい!」


昨日同様、スナは前のめりになり手を突き出した
予想外の反応に逆にグレイが困ってしまった

一瞬困ったグレイはスナのペースに既に巻き込まれている

優しく微笑んでスナの手を取った

これからは俺が全て理解してやる
スナの訳分かんねえ発言も何もかも…
お前と居ると飽きる気がしない

グレイは色んな意味を込めてスナの手を取った


「夢みたい〜」

「夢じゃねえだろ?」


恋人の特権。
しっかり絡み恋人独特の繋ぎ方で握られるスナとグレイの手

その手をスナの目の前に持って行きニカッと笑った

スナは握られた手を見て嬉しさが込み上げて来た
顔はニヤニヤしたいのを必死で抑えている状態。

そして感極まって、


「グレイ大好きー!」


グレイにそう叫び手は繋いだまま抱き着いた

まさかこう言う返しで来るとは思わず、一瞬驚いたグレイもスナを抱きしめ返した


今年のクリスマスは大好きな人と一緒。
あたしの思いが通じた最高のイヴの日。

今日は、クリスマスはもっと最高の日だね

今年はクルシミマセン!
今年はタノシミマス!

あたしはグレイが大好きです!



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