SHORT STORY

□ケンカバカ
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「んだァア!わからん!」


寒い、寒いこの季節。
この寒い季節に熱い、熱い男が一人。

考えが纏まらず、訳も分からず悩んで悩みすぎて身体から感情が漏れ、火が飛び出している


「ナツ、魚がイイ感じに焼けるよ」


ナツの火で魚を炙っているのは勿論ハッピー
ナツが燃え上がっているのを良い事に猫はしっかり、ちゃっかり活用中


「で、どうしたのナツ?」

「スナが怒ってる…」

「だから燃えてるの?」

「ん?おぉ、気付かなかった」


悩みすぎて自身が燃え上がっている事さえ忘れてたいたナツ

ナツが悩んでいること
それは彼女であるスナが何故か怒っているからだ


「なんでなんだ!?ハッピー!」

「いきなりだね…まずはオイラに事情を話してみたまえ」


言わないとカツ丼は出ないぞ!
ハッピーはナツにそう言って机をバンッと叩いた
気分はしっかり刑事さん…


「ナツ!今年初めてだよ!」

「お?何がだ」

「もう!12月25日は、」

「バトルオブ・フェアリーテイル第二回開催か!?」

「…ちがう」

「今回こそ俺一人で優勝してやる!ガジルには負けねぇ」

「…か」

「何か言ったか?」

「バカ!ナツのケンカバカー!」


ナツは先程、スナとしたやり取りを一部始終ハッピーに説明
ナツにとって初めての彼女であるスナは何に対して怒ったのかさっぱり分からない

乙女心を全く分かっていないケンカバカのサラマンダー


「ふむふむ。謎は全て解けたよ」

「おぉ!ハッピーなんでだ!?」

「ナツがケンカバカだからです」


ハッピーはナツの話を聞いてスナが何故怒ったのかすぐに理解した
スナを思うとナツには溜め息しか出て来ない

猫でさえ分かる12月25日をサラマンダーはさっぱり分かっておらず…


「なんのはなし〜?楽しそうね」

「あっ、ルーシィ」

「えぇっ!?どうしたのよナツ?」


たまたま通り掛かったルーシィがナツとハッピーを見つけて歩み寄った
矢先に燃え上がったナツの姿


「どうしちゃったの?ナツは」

「それがね、」


ハッピーはナツの話をルーシィに説明した
ルーシィはハッピーから話を聞き終えて、


「アンタ、バカじゃないのー!?」


と、ナツに向かって叫んだ。

そんなナツはと言うと、ハッピーにケンカバカと言われルーシィにまでバカと言われ…
あっちもこっちもバカだバカだと言われ、訳が分からず更に悩んで更に燃え上がる
ついでにバカと言われたのが結構ショックで怒りの炎も混じっていたり


「ナツが相当お悩みね」

「少しぐらい悩んでもらわないと」

「フフフ、スナ可愛い」


そんな三人のやり取りを見ているスナとミラ。

ナツがこう言うイベントに興味が無い事ぐらい初めから分かっていた

だけど、少しぐらい…
たまには恋人同士らしいことをしたいスナ

だから怒った
ナツがこれっぽちも気付いてくれなかったから


「ナツが気付いてくれるまでしゃべらないもん!」


ナツとスナはクリスマスを無事に迎えられるのだろうか…




TO BE CONTINUED

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