SHORT STORY
□ナヤミバカ
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「スナ、」
「ね、ミラー!」
ナツはただ今、悪戦苦闘中。
何故怒っているのか分からないスナに先程から話し掛けているのだが全く話を聞こうとしなかった
話し掛けるたびに誰かに話し掛けに行き去って行く
今だってそうだ。
話し掛ければミラの元へと行ってしまった
これでは流石のナツも溜め息しか出て来ない
まさか自分が彼女に振り回される日がやって来るとは思ってもみなかった
結局、ハッピーもルーシィもスナが怒っている原因を教えてはくれなかった
自分で考えなさいと二人から言われ、頼みの綱も絶たれてしまう
どうしようもない苛立ちと悩みで頭がパンク寸前…
「ハハッ!スナに嫌われてやんのー」
「グレイ様…!?それを言っては、」
ただでさえイライラしているのに、更にナツの苛立ちを煽る人物がやって来た
そんなグレイの禁句発言にジュビアがすかさず止めに入る
「変態ヤローの相手してるヒマはねえんだよ!」
「スナに無視されてんのにか?」
「…ンだと!?」
「柄にもなく似合わねーコトしてんじゃねえぞ」
悩んでるヒマがあったらさっさとスナに謝りに行け、グレイはナツにそう言った
突っ掛かっている割にはなんだかんだ言っても優しいグレイ
これでもナツとスナの事は心配しているのだった
「ナツさん、喧嘩の原因は何なんですか?」
グレイのさりげない言葉に謝ると言うことをしなかった自分に気付き、それもそうだと思っていたナツにジュビアが尋ねる
そして何度目かになるスナから避け始められる前の出来事をジュビアに話した
「お前バカだろ!?」
そしてバカと言われるのも何度目だろうか…
しかもグレイなんぞにバカと言われたのが相当カチンと来たのか、等々怒り爆発一歩手前と言った所か。
「ナツさん、12月25日はクリスマスですよ」
「…クリスマス?」
「スナさん、きっとナツさんに気付いて欲しかったんですよ」
ジュビアの発言に目を丸くして固まったナツ
そんなジュビアは笑顔を浮かべて恋人達の一大イベントですわとグレイにキラキラした眼差しを送りながら言った
「あぁ!クリスマスか!」
ジュビアのナイスな発言から遅れて数秒後。
ナツが手をポンッと叩いて何かを閃いたようなポーズをする
…反応が遅すぎだ
流石のグレイとジュビアもズッコケる。
「ハイタッチだージュビア!」
閃きが嬉しかったのか、答えを教えてくれたジュビアにハイタッチを促す
それにジュビアも笑顔を浮かべてナツのタッチに乗った
「ヨッシャア!スナ待ってろよー!」
謎が全て解けたナツは一人意気込んで何処かへ走り去ってしまった。
さて、二人の運命はいかに!?
TO BE CONTINUED