Comes Up

□.
1ページ/1ページ


学園都市は大盛況だ。
辺りは人だらけで大混雑

そんな中、起こるだろうと思っていた事態が本当に起きた


「…迷子になりました。」


人はたくさん居るのだが、お目当ての人が居ない
アホ毛が揺れている様子も無ければ、真っ白も見る限り人に混ざってはいない


「ま、まあ!その内会えるよね〜」


ハハハ〜と、空笑いを零したトモは、さてどうしようと考える

止まって居ても見つかる訳も無いので、取り敢えず周りをキョロキョロしながら人混みに混ざって行く


「これが大覇星祭、か」


人生の半数以上をこの学園都市で生活しているので、勿論大覇星祭が初めてではない

だが、人混みに紛れたのも誰かと一緒に回ったのは、これが初めてだ

今までは、居るのに居ない存在だったからだ


「今年は楽しまなきゃね!さーて、レータとミサカはドコに居るのかな」


そんな事を呟きながら、二人を探す

ただ二人を探す。と言う事だけでも楽しくなってきたり
欲を言えば、自分も学生達に混ざって競技をしたい、と言うのが次の目標かな等と思った


「人が多いね〜こんなんで見つか……ブッ、」


右や左を見ているのに何故か前は見ていなかったトモは、何かにぶつかった


「あら、ごめんなさいね。大丈夫?」


すると、頭上から謝罪の言葉が降ってきた
柔らかい二つの丸の間に挟まったトモは、目をぱちくりとさせる

とっても柔らかい感触の間に挟まっているトモは、顔を埋めたまま手ぶらな両手で右と左の丸を掴んでみた


「あぁん!お姉さん触られるのは初めてじゃないけど、女の子に触られると別の意味でムラムラしちゃうわね」


なんて言葉が更に降ってきた。

そしてトモは確信した
やっぱりぶつかったのは、人様の胸の間だったか、と


「お姉さんこれホンモノ!?」


人様にぶつかった挙げ句、変態紛いな行動を起こしたのだから謝罪から入るのが一般的に普通だろう

それがトモときたら、未だに‘お姉さん’の胸を触りながら人に寄っては失礼な質問


「偽物に見える?でも残念、ちゃーんとお姉さんの胸は本物よ」


でも大丈夫。
ぶつかった相手も一般的にそこらの普通の‘お姉さん’では無いので、そこは軽く返してくれる

終いには、


「確かめる?特別にお姉さん見せてあげちゃおっかな〜」


なんて、頼んでもないサービスまで付けてくれる

大きな看板を抱え、ボタンが閉まらないのか、もしくはわざとなのか、大きな胸は服から飛び出し道行く男性誰もが釘付けになる様な露出の激しいスタイル抜群のこのお姉さん

後に大事件を起こす相手だなんてトモは思うはずもないだろう


「黄泉川も大概大きいけど、お姉さんのは出てる分もっと凄く見えるなあ」


うんうん、と頷きながらジーッとお姉さんの胸を見つめる


「どうしたらそこまで大きくなるんだろうか…」


トモもまた年頃の女の子なのだ


「大丈夫よ、あなたのお胸も悪くないわ」

「そうですかね?」

「そぉね〜そんなに直ぐに大きくしたいんならお姉さんとっておきを教えてしてアゲル」


コソコソとトモに耳打ちをするお姉さん、オリアナ=トムソン
フムフムと首を縦に振り、なるほどッ!と何でも真に受けやすいトモは納得


「じゃお姉さんは、仕事があるから行くわね」

「お姉さんありがとう!早速試してみるのさッ!」

「素直な女の子はお姉さん好きよ?またお会いできたら感想聞かせてちょうだいね」

「はーい!お仕事中にごめんね、頑張ってね〜」


後ろから手を振るトモに笑みを向けてオリアナは、歩き出す

そして‘頑張るわ…’と、口には出さない黒い笑みで本来の仕事に戻った


――――


「いたいた〜!」


小一時間程探し回った所で漸く遠くからでも分かる白い姿を発見


「やっと会えたのさッ!」

「オマエにゃ首輪を贈呈してやンよ」


一方通行の前に到着したトモが笑顔で登場
一方通行もまたトモを探していた
打ち止めと二人で探してもいつの間にか打ち止めまでも居なくなっているパターンになりそうだったので、警備中の黄泉川に一時預けていた


「この俺を動かすたァ、イイ度胸じゃねェか」

「もしかして心配して探してくれた?ごめんね」

「誰が心配っつったよ、オイ」


取り敢えず見つかったので、打ち止めを迎えに行く為に歩き出す
先を歩き出した一方通行に置いて行かれない様に、はぐれないように、トモは一方通行の左腕を掴んだ


「あぁー!そうだッ!」

「あァ?」


隣で急に騒ぎ出したトモを面倒臭そうに上から横目で視線を向ける


「揉んでちょーだいよ!」

「また主語のねェ、ナニをだ?」

「私の胸をさッ!」


何を笑顔で言い出すかと思いきや…


「オマエは新手のセクハラか」


流石の一方通行もトモの問題発言には、少々驚く
頭の隅で、どうせ誰かに余計な事を吹き込まれたんだろうなと思いつつ


‘異性に揉んでもらうのが一番ね、好きな人なら尚更効くわよ。そー言えばお姉さんもすっかりご無沙汰気味ね〜’


オリアナお姉さんから吹き込まれ、しっかり実行に移す
分かっているのか分かっていないのか…
つまりはただのボケなトモだった


放し飼い注意!
(私はレータが好きだからね〜お願いします!)
(ンな貧乳で遊んでも面白くねェよ)
(いいよー、じゃあ当麻にお願いしに行くからさ〜)
(…オイ待て)



[戻る]
[TOPへ]

[しおり]