LOG置き場!

□恋は食欲に勝るのか…!?
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「ミラ〜お腹減ったー」

「はいはーい、ちょっと待ってね」


お腹が空いた。
お腹が空きすぎて死にます。
死んでしまう前に、命を繋げるように私に食料を与えて下さい

大袈裟な事を思いながらツバサは机に突っ伏していた
ミラの料理を待っている間に何人かの人に声をかけられたが気のない返事で適当にあしらう

それだけ空腹時のツバサはやる気がないのだ


「はい、どーぞ」

「ごっはんーっ!」


小さな子供かとツッコミたくなるツバサは目の前に出されたステーキに目をキラキラとさせた

右手にフォーク、左手にナイフ
それを上下に動かし机にバンバンと打ち付けて喜ぶ様はまさにただのガキだ


「おかわりあるから、沢山食べてね」

「はーいッ!」


小さなガキことツバサはミラの一声に元気よく返事すると同時に目の前に置かれたステーキに切り掛かって食らい付く
食べてる時はとても幸せそうな表情をするツバサに作ったミラまでも嬉しそうな顔になる

と、言ってもミラは焼いただけなのだけれども…


「うまーい!美味いよウシィ〜」

「いーの食ってんな?」


美味しく平らげるツバサの隣にグレイがさりげなく座る
口をモゴモゴしながらグレイを見るツバサは喋る事も忘れて隣に座るグレイを見ているだけ


「アーン」


そんなツバサを見ていたグレイは、あまりにも美味しそうに食べるツバサに一口くれと言わんばかりに大きな口を開け出した


「………や」

「デケェんだからいーじゃねえかよ」

「…………え」

「減りゃしねえよ」

「…いや!減るよ!あげたら減る!!」


ケチだな〜とふて腐れたグレイは開けた口を閉じ、ぶーたれる
そんなツバサは密かに、本当にごく僅かに誰も気付かない程度に頬を赤く染めていた

それは何故か…
無防備すぎたグレイの姿に何故かドキリと心臓が跳ねて、とてもじゃないけどその無防備な口にモノを放り込む事が出来なかったのだ


「おっ、ジュビアいーもん持ってんな」

「グレイ様っ!…ひ、一口食べますか?」

「サンキュー」


余程お腹が空いていたのかグレイは、ジュビアの持っていたフランクフルトを素早く発見してジュビアの基へ飛んで行った


「…………ん?」


そんな一連の行動を見ていたツバサは心臓にグサリと自分の持っていたフォークが刺さったのではないかと言う気持ちに陥った。

目の前ではジュビアの差し出したフランクフルトを大きな口を開けてかぶりつくグレイ
ジュビアは嬉しそうにグレイの口元へ運んでいる

そんな二人を見て心臓に突き刺さったフォーク
自分の小さな異変に戸惑うツバサ


「…食い足りねーんだな」


この何とも言えない気持ちをお腹が満たされていないからだと判断したツバサ
空になってしまったお皿を見て追加を頼む


「ミラー!おかわり〜!」


ツバサがこの気持ちに気付くのはもう少し先のお話。


今回は勝者、食欲…




恋は食欲に勝るのか…!?
(そんなにお腹空いてるの?)
(心臓が空いてるんだって〜)

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