LOG置き場!

□とある髪形のアホ毛ちゃん
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「ツバサ何やってんの?」

「んー?アホ毛作ってんの〜」


とある日の妖精の尻尾のカウンターにて。
鏡と睨めっこをしながらせっせと髪の毛をいじくる男の子一人

鏡の隣にはハードワックスを置いて…


「出来たーっ!」


数分間せっせと真ん中辺りから髪の毛を取り、一生懸命立てるツバサをルーシィは後ろから見守っていた。
意図が分からず、ただアホ毛を作っていると言うことは分かった。

完成したのか両手を広げて喜ぶツバサにルーシィがどれどれ〜と顔を覗き込んだ


「残念ツバサ…もうしょげてますけど?」

「えー!?」


完成を喜んだが、ピンッと立ったアホ毛は一瞬の内にへなってしまった
ツバサは落胆の声をあげ、髪の毛と一緒にへなってしまう


「何がしたかったのよ?」

「コレ。」

「………何に目覚めたかは分からないけど、ツバサがしたら可愛いだろうから〜開け巨蟹宮の扉キャンサー!」

「SHOW GIRL、初登場エビ」


ツバサは一冊の本をルーシィに渡し、希望の髪型を見せた。
ルーシィは本とツバサを交互に見やり色々想像した上で鍵を取り出しキャンサーを呼んだ
出てきたキャンサーはさり気なく初登場だと主張し渾身の決めポーズを決めたとか。
だが、当たり前にスルーされる


「ツバサの髪コレにしてあげてよ」

「了解エビ」

「宜しく頼むエビ」


渡された本をキャンサーに見せお願いをしたツバサがキャンサーの真似をしたこともスルーの方向で…

手際良くワックスで塗り固めていく横でルーシィは渡された本を読んでいた


「出来たエビ!」


ツバサよりも遥かに早い時間でセットは終わり、完成した髪型を鏡で確認


「おー立ったーアホ毛が立ったー!」


知る人ぞ知る有名某アニメのセリフじみたことを言うツバサは、へなる事のないアホ毛に感動の声をあげた。


「打ち止め可愛い〜」

「ルーシィ!見ろ!アホ毛が立ったぞ」

「…!打ち止めが目の前に…!」


ルーシィは読んでいる本の登場人物、打ち止めに夢中になっていた時。
アホ毛の完成したツバサがルーシィに駆け寄ったら、本と全く同じ髪型のアホ毛がピンッと立ったツバサに目の錯覚を起こしたとかなんとか。

それは、ルーシィだけだと思うと言うのもスルーの方向で…
本人曰わく、愛故の錯覚。


「ツバサ可愛いわ〜!打ち止めそっくり可愛い可愛い」

「ルーシィ髪の毛崩れるー」


ムツ○ロウさんばりのヨシヨシの勢いでツバサに抱き付くルーシィは可愛いを連呼するばかり
そんな包容もいつもなら気にしない所を髪の毛を気にしてあたふたとするツバサ


「可愛いけどねツバサ、」

「どうしたのって、ツバサはツバサはミサカの真似をしてみる」

「…!!!!それも胸キュンする程可愛すぎるんだけどね、」

「ん?」

「この子女の子よね?仮にも男装中のツバサが女の子の真似してどうするのよ」


 ………。

そんな何てこと無いことをサラッと言われてツバサは固まった

私と言う奴は何をやってんだと…!
これでは端から見れば女装じゃないかと…

あまりにも漫画に夢中に成りすぎて、現在自分の置かれている立場を完璧に忘れていた瞬間だった

この子可愛すぎる〜
アホ毛真似したいな〜
髪の毛真似したら喋り方も真似してやろ〜
誰かこの白いにーちゃんの真似してくれる人居ないかな〜
じゃあ一緒にパロディすんのにな〜
とりあえずアホ毛から、形から入ってみよ〜

以上、ツバサ脳内。


「どーしよ、ルーシィ!!!!」


それは自分のバカさに対して。
脳内完璧メルヘンを起こしていたツバサは我に返った

そんなツバサをキョトンと見るルーシィは、


「ツバサだし、打ち止め可愛いしだから良いと思うわ」

「何のフォローにもなってません!」


そんなことを笑顔で言うルーシィ。
そんな中、キャンサーの立てたアホ毛はゆらゆらと気持ち良さそうに揺れていた

とあるお昼の出来事。


とある髪型のアホ毛ちゃん
(ツバサが打ち止めするならあたしは一方通行ね)
(ルーシィ金髪ーこの人白髪ー)
(色なんて愛があれば何でもいいのよ!)
(…愛?)

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