LOG置き場!

□どうせ撮るなら…
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「……クソが二匹」


画面と睨めっこ状態の一方通行はボソッと呟いた

寝ぼけた頭で時間の確認の為、携帯を開いた
時間より先に飛び込んで来たのは、画面いっぱいに写った見慣れた二人の笑顔
どう言う訳か待ち受け画面が変わっている

買ったままの初期設定状態だった待ち受けが、設定なんてした事がある訳が無い彼は昨日とは全く違う待ち受けにチッと舌打ちを零す


「勝手に変えてンじゃねェ」


隣の部屋から愉快な笑い声を漏らしているのは、画面に写った笑顔の二人
寝ている間に勝手に写真を撮り待ち受けに設定したのだろう


「変顔変顔!」

「いーってミサカはミサカは口を引っ張ってみる」

「私はコケシさーん」


両方の口端を両手で引っ張り伸びた打ち止めとほっぺたを萎めたトモの顔が写った画面。

携帯を買った日から二人は飽きずに写真ばかりを撮っている
今のハマりは変顔らしくまともな顔は無い


「決まったねミサカさん」

「才能あるミサカ達に乾杯ってミサカはミサカは胸を張ってみる」

「完璧な私達にハイタッチ〜」

「イェーイ!ってミサカはミサカは勢い良く手を合わせてみたり」


このテンション高い二人はなんだ…
後ろから様子を盗み見る一方通行は呆れた眼差しを送る
再度、自信の携帯とソファに座る二人を見比べて一方通行は二人の方へ静かに近付いた


「あだッ!?」

「うぎゃッ!?ってミサ…」


騒ぐ二人に突如降りかかった痛みに声を上げ、後ろを揃って振り返ればピローンと鳴った携帯
痛さに顔を歪め、勢いのままに振り返ったトモと打ち止めの間抜けな姿が一方通行の画面に写る


「クソが二匹」


先程と全く同じ事を言い、首を縦に振った一方通行
何がなんだか分からないトモと打ち止めは口をポカンと開けて一方通行を見る

そして再び鳴ったシャッター音


「間抜け二匹」


やっと撮られていると状況を理解した間抜け組は、あー!と叫びだす


「一方通行には可愛い私らをプレゼントしてあげたのに!」

「不意打ちなんてズルいんだから!ってミサカはミサカは憤慨してみる」

「真実を写してやったンだ、感謝しろよなァ」


面白みも無い笑った二人より、こっちの方が二人らしい。


「しゃァねェからコレに変えといてやンよ」


そう言って、たった今撮ったばかりの口をポカンと開けたトモと打ち止めの間抜け写真を見せた



どうせ撮るなら…
(お返しにアクセラの寝顔待ち受けにしてあげるね!)
(ヨダレを垂らす貴重なアナタ!ってミサカはミサカも見せてみる)
(今すぐ消せェエ!)

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