LOG置き場!

□今日は何の日?
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「垣根かきねッ!」


周りをぴょんぴょん飛び跳ねるトモに笑顔で名前を呼ばれる

自分の身長が高いのか、それともトモの身長が低すぎるのか
飛び跳ねるトモが小動物に見えてくる


「お前本当、俺の事好きだよなぁ」

「うん!帝督だーいすきさッ!」


ニヤニヤと垣根が言えば、それをサラッと返すトモ
自分で言っておきながら、逆に照れる
目を細めトモを見る垣根に更ににぃーっと笑って言った


「大好きな垣根にプレゼント!ハイ、今すぐ被って〜」

「なに、くれんの?」

「もちろん!あっ、今から能力使ったら絶交ね?」

「俺がトモチャンにんな物騒な事するわけねえだろ?」


プレゼントやら被ってやら能力使うなやら。
妙な単語が揃う中、大好き発言に気を良くした垣根は受け取った物も見ずに素直にソレを頭から被る、と言うか装着

紙で出来たお面らしきソレは輪ゴムが付いてあり、被れば頭の中心で止まる
目の部分は切り取られてあり、視界は良好
穴からもトモの姿はハッキリ瞳に映る


「どーよ?俺って何被ってもカッコイイだろ?」

「似合う似合う〜!」

「でよ、一体なんだコレ?」

「ちょっと待ってね、みんな〜準備完了だよー!」


みんなって何だ?
と、小さな穴から目を凝らしてトモが後ろを振り返り呼んだ方向を見る

そしたらゾロゾロと揃って見知った人から知らない人までが此方に向かって歩いて来る


「垣根クーン気持ち悪ィ程お似合いじゃねェか」

「なんで一方通行が居んだよ?」

「ミサカも居るよ!ってミサカはミサカはオニさんに言ってみる」

「チビまで!?つか、オニ?」

「踏まれた腕のお返し今日こそしてみせます!」

「面白そうだからついて来ちゃった〜」

「花畑の嬢ちゃんにそっちの黒髪のお嬢さんは誰だよ!?」

「このメルヘン鬼に豆ぶつければ良い訳?何だか知んないけど、久しぶりにやってやろうじゃないの」

「黒子はお姉様の行く所、何処へでも着いて行きますの」

「三位にツインテールのお嬢さん…は知らねえな。つか待て待て、豆ってなんだよ!?」


垣根帝督はテンパった
小穴から見える数々のメンツに訳が分からなくて

そして自分は何の被り物を被ってんだと…


「トモチャンどーなってんだ?俺は何を被らせれてんの?」

「鬼のお面に決まってんじゃーん!」

「…オニ?」

「今日は節分さッ!豆を鬼にぶつける日〜って垣根!メルヘン禁止!羽はしまうの!」


節分…
そんな日、確かにあるな
節分は別に知っている
豆を鬼にぶつける日か、いいじゃないか

それで?
鬼の面を被らされている俺はなんだ?
つまり、俺が鬼か…?
豆ぶつけられる対象者は俺ってか…


「ふざけんなッ!?」

「まだ他にも来るよって、あわきー!こっちこっち」

「メルヘンに豆投げなくても、あたしが上から降らせてあげるわよ」

「豆のシャワーか、痛そうだにゃー」

「自分は傍観決め込みましょうかね」

「グループ揃ってくんじゃねぇよ!」

「この人超嫌いなんで、豆超投げつけてあげます」

「無能力者なめんじゃねぇぞ!」

「私はそんなはまづらを応援してる」

「クソメルヘンは私が豆でブチ殺してやるよぉ!」

「アイテム…?」


トモの掛け声に更に人数を増し、グループにアイテムとまでゾロゾロぞろぞろと…


垣根のテンパりは最早最高潮。
対照的に次々に出揃う人たちにトモの顔は気持ち悪いぐらいにニヘラと笑顔


「だからメルヘン禁止なのー!垣根サンは今日は鬼サンだから、能力ぶっぶ〜」


無意識に後ろから六枚の羽が見えているのをトモはすかさず止める
可愛い顔してコイツは何考えてんだ…

流石の垣根でも、これだけの能力者を相手に武器は豆であっても死ぬ気しかしない
一方通行や麦野辺りは容赦なくやりそうだ

と言うかトモに悪知恵入れ込んだ奴は一体誰だ?
恐る恐る垣根が聞けばトモは、


「木原が教えてくれたー」

「あンのクソ科学者めッ…!?」


出所がまさかの木原。
これはイジメとしか思えない


「トモ!早くマメが食べたいんだよ」

「違うだろインデックス!食うんじゃなくて鬼に投げつけるんだぞ」

「何でもいいからお腹が空いたんだよ」


シスターとツンツン黒髪も参戦
俺は一体何人を相手に鬼をやるんだ…


「目標はこの鬼ですか?とミサカ10032号は確認をとります」

「華奢でメルヘンが鬼ですか?とミサカ11181号は指を指します」

「こりゃねぇだろ。とミサカ10555号はメルヘン鬼に冷ややかな目を送ります」

「どうでもいいですが、早く始めませんか?とミサカ15894号は促します」

「マテマテマテ」


次々と現れる御坂美琴のクローン妹達
これはツッコまずにはいられない
この調子だと生き残った妹達全員が現れそうで寒気がする


「どうしたのさ?」

「どうしたのさ?じゃねえだろ!死ぬぞ俺」

「問題ねェ」

「急に出てくんなお前は!」

「楽しもうねー垣根!」


お面で隠れて見えないが、垣根の顔は訳の分からない状況に歪んでいた
固まる垣根にトモが聞けば、必死で抗議する
それを隣に並んだ一方通行が軽くあしらえば、更に必死になる垣根


それからもまだ増える参戦者達。
誰が鬼です〜?と人混みで前が見えない子萌先生は小さな身体を必死に背伸び
あそこに居るじゃんよ、と子萌先生を持ち上げて見える様に抱えてあげる黄泉川

人混みから離れた所でせっせとルーンを貼るステイル
おしぼりを片手に趣旨が変わって一人意気込む五和
隣でハンカチを取り出した何故か額を拭ってあげているオルソラに拭われている神裂
天草式の面々は勿論、オリアナにアニェーゼ部隊

一人一人見ていくと本当にキリがない。
魔術も科学も関係無い
ただ、何らかの伝いで集まった連中達

それは鬼に豆を投げつけるため
楽しい楽しい節分の始まりだ


終わったらみんなで恵方巻き食べよーと呑気に考えるトモ


「第一回、オニ退治開始〜!」


トモの掛け声で豆撒きの始まり始まり。

垣根はこれから、色んな種類の豆を投げつけられるのであった



今日は何の日?
(垣根に豆を投げる日!)
(んなバカな日があるか!?)

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