LOG置き場!

□一方通行?
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とある校門前にて。


「行ってらっしゃいお兄ちゃん!学校行っても影薄サンにならないように気を付けてね」

「喧嘩はダメなんだからってミサカはミサカは心配な眼差しをお兄ちゃんに送ってみる」

「カッターシャツと頭髪が被ってんよお兄ちゃんってミサカ笑えてきた、ギャハハハ似合わねー」


言いたい放題言われる兄貴は盛大な溜め息を吐き、


「俺ァお兄ちゃんなンぞになった覚えはねェ!つかよォ、ゾロゾロ来やがって金魚のフン共」

「照れるなよーお兄ちゃん!ねッ、ミサカ〜」

「本当は一人じゃ心細かったクセに素直じゃないのねってミサカはミサカはお兄ちゃんの心中を察してみたり。ねー番外個体!」

「何それ、振るのが流行りな訳?まあ、ココは妹達のノリに乗ってあげるってミサカはお兄ちゃんをツツいてあげる」


グリグリと人差し指を立て一方通行をつつく三人にお兄ちゃんは鬱陶しく怒鳴る

そんな訳で本日は、一方通行の転校初日でもあり新学期だ。
とある高校へと移転してきた訳だが…


「心配しなくても、息子には母が着いているわよ」

「ママ綺麗〜!」

「ヨシカワママ!ってミサカはミサカはスカートを履く珍しい一面に驚いてみる」

「女は化けるって嘘じゃないって訳ね」


しっかりノリに乗った芳川が現れる
いつものやる気の無いジーパン姿とは打って変わりスーツをビシッと着こなした清楚な芳川
しっかり保護者代表に成りきる

突然現れた芳川に一方通行は、顰めっ面で、


「誰が息子だクソババァ」

「あらあら、そんな口の悪い子にお友達は出来ないわよ」

「反抗期はんたーい!」

「ママは大切にねってミサカはミサカは忠告してみる」

「つーかいつまでこの設定引っ張んのって、あーでも白いの弄んの最高だからいっかぁ」


ガヤガヤと校門前で親子を楽しむ四人に歩み寄るジャージ先生が一人


「みんなして来ちゃったじゃん?桔梗までそんな格好して」

「たまには外へ出ようと思って」

「黄泉川センセー、家の息子を宜しくお願いします」

「宜しくお願いしますってミサカはミサカも頭を下げてみる」

「プールに突き落としてやってってミサカもお願いしちゃーう☆」


芳川を始めトモと打ち止めの息子になった覚えはこれっぽっちも無い
終始終わることの無いクソッタレなやり取りを始めた元凶三人にチョップを落としていった


「四人には悪いけど、付き添う場がある訳ないじゃん?学園都市って事忘れてるな」


一方通行の初々しい姿を見る為にやって来た訳だが、黄泉川の言葉でハッと気付く

一般的に息子の晴れ姿を見ようと入学式へとやって来る両親等が来るかもしれないが…
ここは学園都市。
そうそう外部の人間は中へは通さない
何か特別な行事がない限り保護者ですら中々入れない訳だ


「アクセラの学校生活が見れないなんて!?歳が足りないから高校入れないし面白くなーい!」

「ミサカも身長がもう少しあったら一緒に入学したのにってミサカはミサカは止まった成長を恨んでみる」

「フーン、って事は適任者はミサカって訳?身長も胸もクリアだし、いっちょ入学しちゃうか〜」

「胸は関係ない!ってミサカはミサカは羨ましくないんだからって言ってみたり」

「風船詰め込めば大きくなれるし大丈夫!」

「羨ましいって顔に書いてあるけど?トモの風船は片っ端から潰してあげんよ」


話は反れる一方だ
番外個体は見せ付ける様に自身の胸を寄せる
それを見て騒がない訳が無い二人は、しっかりと番外個体に遊ばれる


「そう言う問題じゃないじゃんよ?まあ、今日は直ぐ終わるしその辺で適当に待っとくじゃん」

「私は先に帰るわよ、こんな服直ぐに脱ぎ捨てたいわ」

「怒るなよ桔梗」


明らかに口を尖らせた芳川をまぁまぁ、と黄泉川は宥める。

目の前で繰り広げられる平和な一面に一方通行は溜め息を零す


「残念ながら小萌先生のクラスじゃん?私のクラスじゃないからって泣くなよ」

「嬉し過ぎて涙が出るってなァ」


そんな訳で転校生な一方通行は黄泉川と共に校内へと消えて行く

その辺で時間を潰せと言われ残ったモノの素直に聞く訳が無い三人は、二ヤリと口端を上げて笑い静かに後をつける
勿論、芳川は着いて行く筈も無く、車へと引き返し待つ事に


「ヤロー共には残念な転校生の紹介なのですよー!」


ガールよ喜べーと教卓に立つ月詠小萌は小さな身体で大きな声で言う

転校生と聞き、異様なまでの盛り上がりを見せるクラス
男子勢からはブーイング、女子勢はあからさまに鏡を取り出し身なりをチェックする者やら…

そんな外まで聞こえる声に後をつけた三人は壁越しにちょこんと顔を出し串団子状態で見守る


「凄まじい盛り上がりに着いていけないと見たってミサカはミサカは顰めっ面なあの人が逆に心配になってみたり」

「苦痛に歪むあの顔がたまらなーい!」

「レータ楽しそう、いいなー楽しそう!」

「ミサカってある意味トモと気が合うんだと思うんだけど」


打ち止めだけが心配する中、番外個体とトモは的外れな事を。
扉前で待たされている一方通行は、今からこの教室に入るのかと思うとギョッとする

そして、教室の中で一際騒いだ生徒達の盛り上がりは最高潮になった所で小萌先生は呼んだ


「一方通信ちゃーん!入って来るのですよー!」


 ……?


「どうしたのですー?一方通信ちゃん、影が見えているんですからそこに居るのは分かっているのですよー、早く入って来るのですー」


小萌が呼ぶもドア前で立ち尽くした彼は一向に動かない
小さな先生の呼び声に壁から覗く三人の動きもピタリと止まる

 …名前間違えてやいませんか?


「変ですねー?一方通信ちゃんはどうして入って来ないのでしょうか?」

「…小萌先生、そりゃ名前間違えているんじゃないのかにゃー?」


勘付いた土御門が助け舟を出す。
へ?と、慌てる小萌先生は必死に、


「そんなことないのですー!先生はちゃんと名簿を見てですね、お名前を呼んでいるのです!」


ほらっ!と生徒全員に見える様に名簿を掲げた小萌先生
それを食入る様に席を立ちクラス全員が名簿前へと集まった


「ぷっ…ブブ、ギャハハハハ!!!一方通信だってさ」

「アクセラはいつから改名したのさ!?これからは、レータじゃなくてツーシンって呼ばなきゃ〜」

「あの人に関する新聞か何かを作れそうだねってミサカはミサカも声を上げて笑ってみたり」


此処まで来たらもう我慢が出来ない。
教室から聞こえる小萌先生が一方通行を呼ぶ声に一度や二度の話では無く、三度目も間違った名前を呼ぶ先生に遂に三人は噴き出した

隠れていたが、腹を抱えて一方通行の前に現れた三人に彼の眉間の皺はより一層深くなる


「一方通信そんな所で突っ立ってないで早く教室入ろうよ〜」

「ミサカが一方通信新聞作ってあげるからってミサカはミサカは元気づけてみる」

「アハハ、ミサカもう駄目だこりゃって酸欠でぶっ倒れそうだわ」

「オマエ等ナニがお望みですかァ?ミンチか?スプラッタか?グチャグチャのギザギザで鳴かせてやりてェなァ」

「いやーんドS!鳴かないように頑張るのさッ!」

「久しぶりのぶっ飛んだ一方通行だねってミサカはミサカはギザギザが気になるって言ってみたり」

「ミサカを久々に勃たせちゃってくれるワケ〜?」


両手にはぶら下がる勢いで腕を掴むトモと打ち止め、後ろから番外個体と何が何だか分からない状況だが、取り敢えず一方通行は三人からもみくちゃにされる

教室からは、先程まで一人だったシルエットから三人追加され四人分の影がごちゃごちゃとし、笑い声やら怒鳴り声などが飛び交う
名簿には確かに‘一方通信’と記載されていて、小萌先生も何が何だか分からなくなる
そして、外で暴れる四つの影

生徒と先生は目を丸くして影を見やり、代表して月詠小萌は動いた


「あッ!」

「あっ!ってミサカはミサカは、」

「アッ☆」

「チッ」


ガラガラとスライドしたドアが開き、間抜けな声を出す
目を丸くして、もみくちゃにされた一方通行を見た先生と生徒。

恐る恐る小萌先生は、


「一方通信ちゃんですー?」

「イイか?よォく耳の穴こじ開けて聞け」


デルタフォース組は見た事のある面々にあー!っと口を開ける
纏わり付く三人を無視して一方通行は言葉を続け、


「一方通行だ、クソッタレ共!」


名前を間違えられた事を結構根に持った彼の転校初日の事だった



一方通行?
(黄泉川先生に文句を言わないとなのですよー?この名簿を打ったのは黄泉川先生なのですー)
(皆さんこんなレータですが、仲良くしてあげてね〜)
(不束者ですがってミサカはミサカは母親目線で言ってみる)
(たーっぷり弄んであげてちょーだいよってミサカお願いしてみる)
(黄泉川ァアアア!!)
(煩いと思ったらアンタ達、ってこりゃ入力ミスじゃん)

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